BASED ON A TRUE STORY

ZEEBRAのセカンドアルバム『BASED ON A TRUE STORY』：アウトローな魅力全開のヒップホップ

ZEEBRAの2枚目のアルバム『BASED ON A TRUE STORY』（ベースド・オン・ア・トゥルー・ストーリー）は、前作から2年の歳月を経て、1999年にリリースされました。タイトルが示唆するように、実話を題材とした楽曲も収録されており、ZEEBRAの音楽性における新たな一面が垣間見れる作品となっています。

リリースから間もなく、約25万枚という高いセールスを記録。これはZEEBRAのキャリアにおいて大きな成功を収めたことを示しています。本作では、前作『THE RHYME ANIMAL』とは異なる、不良性を前面に出したアウトローな作風が特徴的です。ZEEBRA自身も、前作を「ベーシックで教科書のような作品」と評し、今作では「ちょっと面白いことをしたかった」と語っています。

その「面白さ」は、楽曲の構成や客演陣にも表れています。アルバム全体を彩る多彩な客演陣は、日本のヒップホップシーンを代表するアーティストたちが名を連ねています。

楽曲詳細

アルバムには、イントロとアウトロを含め、全14曲が収録されています。そのうちいくつかを詳細に見ていきましょう。

HIP HOP解放戦線 featuring UZI: URBARIAN GYMのUZIをフィーチャーしたこの曲は、当時のヒップホップシーンの勢いを象徴するような力強い一曲です。
CHILDREN'S STORY: この曲は後にベストアルバム『The Anthology』にも収録されるなど、高い評価を得ている楽曲です。ストレートな歌詞と力強いビートが印象的です。
男の条件 featuring MACCHO, Q, BOY-KEN: OZROSAURUSのMACCHO、ラッパ我リヤのQ、そしてBOY-KENという豪華客演陣を迎えた、まさに夢の競演と言える一曲。それぞれの個性とスキルが融合した、聴き応えのあるトラックです。
BEAT BOXING featuring KM-MARKIT: URBARIAN GYMのKM-MARKITが参加。ZEEBRA自身のヒューマンビートボックスも聴ける、実験的な試みも含まれた一曲です。
MR.DYNAMITE: ZEEBRAの5枚目のシングルとしてリリースされた楽曲のアルバムバージョン。シングルとは異なるアレンジが施されている可能性があります。
プラチナム・デート featuring DOUBLE: DOUBLEをフィーチャーしたこの曲は、洗練されたサウンドとロマンチックな歌詞が魅力。ベストアルバム『The Anthology』にも収録されています。
城南ハスラー: 後にベストアルバム『The Anthology』にも収録された、ZEEBRAの地元である城南エリアを題材にしたと考えられる楽曲。
結婚の理想と現実: アウトロにK DUB SHINEが参加。理想と現実のギャップを描き出した、ZEEBRAの等身大の姿を反映した楽曲。2022年には、T-STONEのアルバム『Type 1 Diabetes』に、この曲をサンプリングした「Don Da Da ft. Zeebra」が収録されました。
罠 featuring OJ&ST: OJ&STとのコラボレーションによる楽曲。ストリートのリアリティを反映した歌詞が特徴です。
THE UNTOUCHABLE III featuring MURO: MUROを迎えたこの曲は、二人のMCスキルが存分に発揮された、聴き応えのあるコラボレーションとなっています。

これらの楽曲に加え、イントロとアウトロ、そしてその他の楽曲は、アルバム全体のストーリーを構成する重要な要素となっています。

まとめ

『BASED ON A TRUE STORY』は、ZEEBRAの音楽性の幅広さと、その高い表現力を示す、重要な作品です。アウトローな雰囲気と、豪華な客演陣、そして社会への鋭い視線。これらの要素が複雑に絡み合い、日本のヒップホップシーンに大きな影響を与えた作品と言えるでしょう。単なる音楽作品を超え、その時代の空気感や、ZEEBRA自身の生き様までもが感じられる、まさに「事実に基づいた話」と言える一枚です。

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