BBCセッションズ (ザ・フーのアルバム)

ザ・フー BBCセッションズ：伝説の幕開けを捉えた貴重な記録

『BBCセッションズ』（The Who BBC Sessions）は、ザ・フーが1965年から1973年の間に行ったBBCの音楽番組用録音をまとめた編集アルバムです。2000年にリリースされ、彼らの初期のエネルギーと創造性を捉えた貴重な音源として、長年ファンに愛されています。

録音の舞台

アルバムには、以下の場所と日付で行われたセッションが収録されています。

イオウリアン・ホール - 1965年5月24日、1965年6月15日、1965年11月22日、1966年3月15日
プレイハウス・シアター - 1966年9月13日、1967年1月17日
ディ・レーン・リー・スタジオ - 1967年10月10日
IBCスタジオ - 1970年4月13日
BBCテレビジョンセンター - 1973年1月29日

これらのセッションは、以下のBBCの人気音楽番組で放送されました。

『サタデー・クラブ』 - 1965年5月29日、1965年11月27日、1966年3月19日、1966年9月17日、1967年1月21日
『トップ・ギア』 - 1965年6月19日、1967年10月15日
『デイブ・リー・トラビス』 - 1970年4月19日
『オールド・グレイ・ホイッスル・テスト』 - 1973年1月30日

収録内容

イギリス盤には、24曲の楽曲と2曲のジングルが収録されています。特筆すべきは、ザ・フーによる以下の7曲のカバーです。

1. 「グッド・ラヴィン（Good Lovin'）」：ジ・オリンピックスのオリジナルを、ヤング・ラスカルズ風にアレンジ。
2. 「ジャスト・ユー・アンド・ミー、ダーリン（Just You and Me, Darling）」：ジェームス・ブラウンのソウルフルなナンバーを、ザ・フーならではの解釈で。
3. 「リーヴィング・ヒア（Leaving Here）」：エディ・ホーランドの楽曲を、よりパワフルなロックサウンドで。
4. 「マン・ウィズ・マネー（Man With Money）」：エヴァリー・ブラザースの楽曲を、ザ・フー流のハードロックに。
5. 「ダンシング・イン・ザ・ストリート（Dancing in the Street）」：マーサ&ザ・ヴァンデラスのヒット曲を、エネルギッシュにカバー。
6. 「シェイキン・オール・オーヴァー（Shakin' All Over）」：ジョニー・キッド&ザ・パイレーツのロカビリーナンバーを、ザ・フーならではの激しい演奏で。
7. 「スプーンフル（Spoonful）」：ハウリン・ウルフのブルースを、ザ・フー流の解釈で。

これらのカバー曲は、ザ・フーの音楽的なルーツと、幅広い音楽への関心を示す貴重な証拠と言えるでしょう。

もちろん、ピート・タウンゼント作のオリジナル曲も多数収録されています。これらの楽曲は、ザ・フーの初期のスタイルを確立する上で重要な役割を果たしました。

参加ミュージシャン

ロジャー・ダルトリー（Roger Daltrey） – ヴォーカル
ピート・タウンゼント（Pete Townshend） – ギター、キーボード、ヴォーカル
ジョン・エントウィッスル（John Entwistle） – ベース・ギター、ヴォーカル
* キース・ムーン（Keith Moon） – ドラムス

まとめ

『BBCセッションズ』は、ザ・フーの初期のライブパフォーマンスを捉えた、非常に貴重な音源です。彼らの音楽的な才能と、ステージ上での圧倒的なエネルギーを体験することができます。ザ・フーのファンはもちろん、ロック音楽の歴史に興味のあるすべての人にとって、必聴のアルバムと言えるでしょう。

このアルバムを聴けば、ザ・フーがなぜ伝説的なバンドとして語り継がれているのか、その理由がきっとわかるはずです。

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