BEST HIT!! SUGA SHIKAO -1997〜2002-

スガシカオのキャリア初期にあたる、1997年から2002年までの楽曲を厳選して収録したベストアルバムが、『BEST HIT!! SUGA SHIKAO -1997〜2002-』です。この作品は、彼がユニバーサルミュージック（旧：キティエンタープライズ、後にキティMME）に所属していた期間に焦点を当てており、その時期に発表された代表曲や重要な楽曲が収められています。

本作は、2枚組の構成となっており、DISC-1とDISC-2に合わせて計32曲が収録されています。初期の代表曲である「黄金の月」や「ストーリー」、「ぼくたちの日々」といったナンバーから、「ヒットチャートをかけぬけろ」、「アシンメトリー」、「夜空ノムコウ」など、後の活躍につながる楽曲まで、幅広いセレクトとなっています。この一枚を通して、スガシカオのデビューから約5年間の音楽的な変遷や表現の多様性を感じ取ることができるでしょう。

アルバムには、ライターの内田正樹氏による詳細なライナーノーツと、収録された各楽曲に関する解説が付属しており、作品世界への理解を深める助けとなります。また、本作のために特設ウェブページも開設され、ファンに向けた情報発信が行われました。

特筆すべき点として、『BEST HIT!! SUGA SHIKAO -1997〜2002-』は、対象期間を区切ったもう一枚のベストアルバム、『BEST HIT!! SUGA SHIKAO -2003〜2011-』と同時期にリリースされています。これにより、ファンはスガシカオの活動期間を大きく二つに分けた形で、体系的に彼の音楽を振り返ることが可能となりました。

レコーディングには、スガシカオ自身がボーカル、アコースティックギター、エレクトリックギター、ベース、キーボード、プログラミングなど、多岐にわたる楽器を担当しています。これは、彼のDIY精神やサウンド構築における中心的役割を示すものです。さらに、中村文俊氏がマニピュレーションや一部キーボード、森俊之氏がキーボードやアレンジ、プログラミングなどで深く関わっており、作品全体のサウンドを支えています。

他にも、山木秀夫氏、沼澤尚氏、宮田繁男氏といった名だたるドラマー、中村キタロー氏、坂本竜太氏といったベーシスト、間宮工氏、羽田一郎氏らのギタリスト、柿崎洋一郎氏（キーボード）、山本拓夫氏、菊地成孔氏（サックス）、エリック・ミヤシロ氏（トランペット）、村田陽一氏（トロンボーン）といったホーンセクション、篠崎正嗣ストリングス、後藤勇一郎ストリングスといったストリングスチームなど、多くの著名なミュージシャンが演奏に参加しています。ゲストボーカルとして杏子氏が参加している楽曲もあり、豪華な顔ぶれがスガシカオの音楽世界を彩っています。これらの参加ミュージシャンたちの貢献も、この時期の彼のサウンドを特徴づける重要な要素と言えるでしょう。

このベストアルバムは、初期スガシカオの軌跡を辿る上で欠かせない一枚であり、彼の音楽性の基盤を知るための優れた入門盤ともなり得ます。同時発売されたもう一枚のベスト盤と併せて聴くことで、彼のキャリア全体像をより深く理解することができます。

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