BLEVE

BLEVE（沸騰液膨張蒸気爆発）とは

BLEVE（Boiling Liquid Expanding Vapour Explosion）とは、液体が急激に気体に変わることで発生する爆発現象のことを指します。日本語では「沸騰液膨張蒸気爆発」または「沸騰液体蒸気拡散爆発」とも呼ばれています。この現象は、主に加圧された容器内に液体として保存されている物質が、外部からの熱によって急激に気体化する際に起こります。

加圧容器の状態

加圧容器内には、液体物質が気液平衡の状態で保存されています。しかし、火災などで容器が加熱されると、液体温度はその物質の沸点を超えることがあります。この状態では、容器内の圧力が増加し続けます。もし容器が破裂した場合、内部の高圧が瞬時に大気圧に解放され、急速に液体が気体に変わります。これがBLEVEの発生過程です。

突沸と爆発

容器内の圧力が急激に低下すると、液体は急激に気化しながら膨張するため、突沸現象が起こります。気体化した液体はさらに急速に周囲の空気と混ざり合い、場合によっては爆発的な現象を引き起こします。この際、特に液化石油ガス（LPG）などは注意が必要で、気体と混ざり合って空気と反応することで自由空間蒸気雲爆発を引き起こす可能性があります。

BLEVEの具体的な事例

BLEVEが初めて注目されたのは、フランスのリヨン郊外にあるフェザン製油所での大規模な爆発火災事故においてです。この事故は、漏れた液体ガスが加熱され、BLEVEが発生することで引き起こされました。この事故をきっかけとして、BLEVEの危険性が広く認識され、液体を高圧で保存する際の安全対策が重要視されるようになりました。

水蒸気爆発との違い

BLEVEの中に含まれる現象の一つに、「水蒸気爆発」と呼ばれるものがあります。これは、高温高圧の水が関与する場合に発生します。水蒸気爆発は、周囲環境との急激な温度差や圧力差が原因で発生し、大きなエネルギーを伴った爆発を引き起こすことがあります。水蒸気爆発とBLEVEは、いずれも液体が急激に気体化する現象ですが、そのメカニズムは異なります。

まとめ

BLEVEは、加圧容器内に保存された液体が熱の影響で急激に気化し、爆発を引き起こす危険な現象です。特に、液化ガスを取り扱う際には十分な注意が必要です。爆発を防ぐためには、適切な圧力管理や熱対策、防護策を講じることが不可欠です。このような知識を基に、BLEVEの危険性を理解し、安全な取り扱いを心がけることが重要です。

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