BLOODSUCKERS

VAMPS アルバム『BLOODSUCKERS』

『BLOODSUCKERS』は、日本のロックユニットVAMPSが2014年10月29日にリリースした3枚目のアルバムです。前作『BEAST』から約4年3ヶ月ぶり、国内ではベストアルバム、海外ではデビューアルバムとなった『SEX BLOOD ROCK N' ROLL』からは約1年1ヶ月ぶりのアルバム作品となります。

アルバム概要

本作には、2013年リリースのシングル「AHEAD/REPLAY|AHEAD_REPLAY」と、2014年にアルバムに先駆けて発表されたシングル「GET AWAY/THE JOLLY ROGER」「VAMPIRE'S LOVE」の表題曲を含む全13曲が収録されています。

特筆すべき点として、本作はシンセサウンドが全体的にフィーチャーされており、K.A.Z作曲の楽曲では特にその傾向が顕著です。また、本作のマスタリングは、アメリカのスターリング・サウンドのチーフエンジニア、テッド・ジェンセンが担当しています。

翌年には全英語詞バージョンを収録した『BLOODSUCKERS (International Edition)』が海外でリリースされ、「AHEAD」は「WORLD'S END」というタイトルで収録されました。

制作背景

VAMPSは『SEX BLOOD ROCK N' ROLL』リリース後、アメリカやヨーロッパをツアーで回り、イギリスの野外ロックフェス「Download Festival 2014」にも出演。海外での経験が本作の制作に大きな影響を与えています。

K.A.Zは、前作が過去の楽曲のパッケージだったため、すぐに新作をリリースしたいという強い想いがあったと語っています。HYDEも、海外公演による意識の変化について、海外も日本も同じように捉え、VAMPSのライブに自信があるからこそ、オリジナルな部分を大切にしたいと述べています。

録音と音楽性

レコーディングは日本とロサンゼルスで行われ、2013年の春頃から始まり、本格的なアルバム制作は年末から約10ヶ月かけて行われました。HYDEは、クオリティの高い作品を作るために時間をかけたことを明かしています。K.A.Zも、前2作とは違うものを作るために苦労したと語り、時代に合わせて音楽の変化を反映させる難しさを語っています。

K.A.Zは、自作曲「REPLAY」がアルバム制作の指針になったと述べています。HYDEはK.A.Zの楽曲についてデジタル寄りだと感じ、K.A.ZはHYDEの楽曲についてライブで盛り上がるロック色の強いものが多いと述べています。エンジニアのジョシュ・ウィルバーが共同プロデューサーとして参加し、HYDEの英語の発音に関する監修も担当。HYDEは、ネイティブの発音にこだわりすぎず、良い歌を歌うことを重視したと語っています。

ギターの音作りは前作までの手法を踏襲し、K.A.Z独特の直線的なサステインと、歪みを抑えながらもレンジの広いサウンドアプローチが特徴です。K.A.Zは、楽曲に合う音を選ぶために使用機材を慎重に選んだと述べています。

HYDEは、アルバムの完成度について非常に高く評価し、K.A.Zは、VAMPSが海外に出せるアイテムになったと感じています。

楽曲について

アルバムには、「GET AWAY」「THE JOLLY ROGER」「VAMPIRE'S LOVE」「AHEAD」「REPLAY」を含む13曲が収録されています。「AHEAD」と「VAMPIRE'S LOVE」は、シングル収録版とは異なるアレンジが施されています。HYDEは、固定概念を抜きにして、気になっていたところを全て直したと語っています。

1曲目の「REINCARNATION」は、次曲「ZERO」と繋がるインストゥルメンタルで、HYDEはアルバムの強力なプロローグにしたいと述べています。K.A.Zは、ピアノの響きを入れ、何かが生まれるようなイメージで作ったと語っています。2曲目の「ZERO」は、シンセをフィーチャーし、繊細さと躍動感を融合したロックナンバーで、K.A.Zは同じフレーズをループさせ、ノレる曲にしたかったと語っています。

3曲目の「LIPS」は、セクシーで攻撃的なロックナンバーで、HYDEはVAMPSらしい、いかがわしくてノリのいい曲にしたかったと語っています。5曲目の「EVIL」は、ゴシックかつヘヴィなロックナンバーで、K.A.Zは新しいヘヴィメタルでありラウドロックだと語っています。HYDEは、「暴走する正義」をテーマに歌詞を書いたと述べています。6曲目の「GHOST」は、HYDEが「死」をテーマにリリックを綴っており、死を永遠のファンタジーとして捉えた歌詞となっています。

11曲目の「BLOODSUCKERS」は、アルバムタイトルを冠したライブでの盛り上がりを意識したロックナンバーです。最後の「INSIDE MYSELF」は、アルバムを締めくくる壮大なナンバーで、HYDEはもう一度自分に帰るような内容にしたと述べています。

タイトルとアートワーク

アルバムタイトルは、VAMPSがファンを表現する言葉として使用していた「BLOODSUCKERS」を採用。アルバムジャケットは、ロッキン・ジェリー・ビーンが描き下ろしています。

リリース形態

初回限定盤A（SHM-CD＋BD）、初回限定盤B（SHM-CD＋GOODS）、通常盤（SHM-CD）の3形態でリリース。初回盤AにはMVを収録したBlu-ray、初回盤BはTシャツなどのグッズが付属しています。海外盤『BLOODSUCKERS (International Edition)』もリリースされています。

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