BLU-82

BLU-82B/C-130: 概要と運用

BLU-82B/C-130は、アメリカが開発した重さ15,000ポンド（約6,803.8kg）の航空爆弾です。この兵器は「デイジーカッター」とも呼ばれ、森林などを吹き飛ばして、ヘリコプターの着陸地点を確保する能力を持っています。投下は主にC-130やMC-130輸送機から行われ、これまでに255個が製造されました。2008年には退役し、後により強力な兵器であるMOABに代替されています。

概観

BLU-82の設計理念は、ベトナム戦争時において密林を迅速に伐掃することにありました。試験投下には、CH-54ヘリコプターが使用されました。特に大きな爆風半径（おおよそ1,500mから1,700m）や、その強い閃光と音響によって、この兵器はアフガニスタンで対人兵器や威嚇兵器としても使用されました。BLU-82は通常型爆弾の中で最大級のものであり、地震爆弾や燃料気化爆弾、地中貫通爆弾など、これに匹敵するものはほとんど存在しません。BLUの名称は「Bomb Live Unit」を意味し、練習用の「BDU（Bomb Dummy Units）」と区別されています。

性能

BLU-82は、硝酸アンモニウムとアルミニウムを炸薬として使用しています。弾頭部分には、約5,700kgのGSXスラリー爆薬を内蔵しており、これにより強力な爆風を発生させることが可能です。「デイジーカッター」は、時に燃料気化爆弾と誤解されることがありますが、これは異なる種類の爆弾です。燃料気化爆弾は、可燃性の液体を使用し、外部から酸素を取り込むため、製造が難しくて信頼性が低いことが多いのです。それに比べ、BLU-82は965mm長の延長信管を使って地表で爆発し、クレーターを掘ることなく最大の破壊効果を発揮します。

誘導

BLU-82は、地上の固定レーダーや航空機の航法装置による正確な飛行に依存しています。観測者や航法手は、正確な弾道や風の影響を考慮しつつ、航空機の正確な位置に誘導します。このため、最低の安全投下高度は地上からおおよそ1,800mとされています。

運用

BLU-82は、もともとベトナムでヘリコプターの着陸地点や砲兵の展開地を伐掃するために設計されていました。特に南ベトナム軍は、ベトナム戦争の終息に向けて自らの兵士を支援する目的でこの爆弾を投下していました。また、1991年の湾岸戦争では、特殊作戦用のMC-130コンバットタロンから11発が投下され、対人攻撃や心理的効果を狙う運用がありました。

アメリカ軍は2001年にアフガニスタンでもBLU-82を使用し、ターリバーンとアルカーイダの拠点を攻撃しました。この兵器は、敵の士気をくじき、地下施設や壕を破壊するためにも多用されました。そして2008年7月、最後の実用可能なBLU-82がアメリカのユタ試験訓練場にて投下され、長きにわたる運用に幕を下ろしました。

関連項目

• - デイジーカッター
• - MOAB
• - T12地中貫通爆弾

参考文献

• - 「Bomb Live Unit (BLU-82/B) - U.S. Air Force National Museum」
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