BMW IIIa

BMW IIIa エンジンの紹介

BMW IIIaは、第一次世界大戦中にドイツのBMW有限会社が開発した航空機用水冷直列6気筒エンジンです。このエンジンは、航空機エンジン技術において重要な進展をもたらし、軽量かつ高出力であることから、多くの戦闘機に搭載されました。

設計と開発の歴史

エンジンの設計は1917年に始まり、当時ラップ発動機製造会社として知られていたBMWのマックス・フリッツによって行われました。設計は高いバランスが考慮されており、振動を抑えることに成功しました。この時代としては珍しく、圧縮比を6.4：1に設定し、185hpの出力を誇るクラスIIIのエンジンとして位置づけられました。

特に高い性能が求められた高高度での運転性能を向上させるため、マックス・フリッツは1917年に高高度用気化器を追加しました。これにより、エンジンは標高2000メートルにおいて、競合する他のエンジンを凌駕する出力を達成しました。特製のハイオク燃料を使用することで、様々な高度で最適な燃焼が可能になったのです。戦後のイギリスでの試験では、BMW IIIaは230hpを記録し、性能において大きな注目を集めました。

初飛行と生産

初回の設計図は1917年5月に完成し、同年9月には試験用エンジンが設置されるまでに至りました。1917年12月に行われた初飛行の成功以降、1918年からは大量生産が開始されました。このエンジンの特徴は、高出力を維持しながらも高い運動性を持つことであり、実際の空戦でその性能が証明されました。

BMW IIIaは、フォッカーD.VIIやユンカースA.20、ユンカースF.13など、多くの航空機に使用され、特にフォッカーD.VIIはその運動性から連合国軍機に対して優位性を発揮しました。特筆すべきは、「レッド・バロン」ことマンフレート・フォン・リヒトホーフェンが指揮した第11戦闘機中隊との関連であり、彼らの戦果がBMW IIIaの名声を高めたことは言うまでもありません。

生産と記録

BMWでは約700基のIIIAエンジンが製造されました。その後、需要が増大したことに伴い、ミュンヘンの工場からフランクフルト近郊のオペル工場に生産拠点が移されました。1919年9月13日には、フランツ・ツェノ・ディーマーがBMW IIIaを装備したユンカースF.13旅客機により、高度6,750メートルの世界記録を樹立しました。

エンジンの仕様

• - 型式: 水冷直列6気筒
• - 弁機構: SOHC
• - ボア×ストローク: 150 mm×180 mm
• - 排気量: 19.1 L
• - 出力: 200 hp/1,400 rpm
• - 圧縮比: 6.4:1

このように、BMW IIIaは航空機用エンジンの分野での重要な進展をもたらし、その歴史的な役割から今日においても多くの学びを提供しています。後のモデルとしてBMW IVが開発され、さらなる進化を遂げることになりますが、BMW IIIaの存在は決して忘れられることはないでしょう。

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