BMWザウバー・F1.06

BMWザウバー・F1.06

BMWザウバー・F1.06は、2006年のF1世界選手権においてBMWザウバーが製作したフォーミュラ1カーです。このマシンは、BMWがザウバーを買収した後の初めてのF1マシンであり、選手権に向けて新たなスタートを切る象徴的な存在となりました。

特徴

このF1カーは、従来のザウバーが持つ青を基にしたカラーリングから、BMWワークスの象徴とも言える白と紺色のデザインに変更され、印象が大きく変化しました。さらに、2006年から施行された新しいレギュレーションにより、エンジンは3リッターのV10から2.4リッターのV8仕様に縮小されました。これにより、車両のパフォーマンスと重量配分が最適化されました。

前年のC24と比較すると、F1.06の燃料タンクのサイズは縮小されており、その結果、モノコックとエンジン配置に大きな影響を与えました。短くされたパワープラントの効果により、リアエンドが細くなり、チタン製の7速トランスミッションが配置されることが可能となっています。このデザイン変更は、車両の空力性能の向上にも寄与しました。

また、F1.06の先端部分は地面に非常に近く、上方に優美な曲線を描く形状をしています。この特徴は、空気の流れをスムーズにし、ダウンフォースを生み出す設計になっています。

特別なエピソード

2006年11月23日から26日にかけて、スペインのバレンシア・サーキットで行われたイベントでは、F1.06が特別仕様のステアリングを装着して走行しました。このマシンは、BMWのワークスドライバーであるアレッサンドロ・ザナルディによってドライブされました。ザナルディは、2001年に義足となって以来、初めてF1カーを運転する機会を得た瞬間でもありました。彼は特別に設計されたステアリングにより、パドルでアクセルを操作することができ、この走行は多くの人々に感動を与えました。

仕様

シャーシ情報

• - シャーシ名: F1.06
• - 全長: 4,610 mm
• - 全幅: 1,800 mm
• - 全高: 1,000 mm
• - ホイールベース: 3,110 mm
• - 前トレッド: 1,470 mm
• - 後トレッド: 1,410 mm
• - マシン重量: 600 kg
• - ブレーキ: ブレンボ
• - ホイール: O・Z
• - タイヤ: ミシュラン

エンジン仕様

• - エンジン名: BMW P86
• - 気筒数・角度: V型8気筒・90度
• - 排気量: 2,400cc
• - スパークプラグ: NGK

成績

2006年シーズンのドライバーズランキングでは、ニック・ハイドフェルドが9位、ジャック・ヴィルヌーヴが15位、ロバート・クビサが16位という結果を残しました。BMWザウバー・F1.06は、その革新的な技術やデザインにより、フォーミュラ1の歴史に名を刻むこととなりました。

関連項目として、BMWザウバーや2006年のF1世界選手権などがあります。

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