BMW N55エンジンは、同社の伝統的な
直列6気筒ガソリンエンジンをベースに、2009年に登場した改良型エンジンです。先行モデルであるN54エンジンを順次置き換え、数多くの
BMW車種に搭載されました。
N55エンジンの最大の特徴は、ロングストローク設計とターボ過給器の組み合わせにあります。この設計により、低回転域から力強いトルクを生み出し、特に自動変速機との相性は抜群です。スムーズで力強い加速感を実現しており、ドライバーに快適なドライビング体験を提供します。
しかし、従来の
BMW直列6気筒エンジンが持つ繊細で精密なフィーリングは、若干薄れているとの指摘もあります。ターボチャージャーの採用やロングストローク化による影響と考えられ、
V型8気筒エンジンに近い力強いフィーリングに仕上がっていると言われています。
N55エンジンのバリエーションと搭載車種
N55エンジンは、様々な出力バリエーションが存在し、多くの
BMW車種に搭載されました。搭載車種と出力は以下の通りです。
N55B30
225 kW (306 PS):
2009年11月~:
BMW 535i グランツーリスモ (F07)
2010年3月~:
BMW 535i (F10)
2010年3月~:
BMW 335i (E90/E91/E92/E93)
2010年3月~:
BMW 135i (E82/E88)
2010年3月~:
BMW X6 xDrive35i (E71)
2010年6月~:
BMW X5 xDrive35i (E70)
2010年9月~:
BMW 535i ツーリング (F11)
2011年11月~:
BMW X3 xDrive35i (F25)
2013年9月~:
BMW 435i Coupé (F32)
235 kW (320 PS):
2011年3月~:
BMW 640i カブリオレ (F12)
2011年10月~:
BMW 640i クーペ (F13)
2012年6月~:
BMW 640i グランクーペ (F06)
2012年9月~:
BMW 740i (F01)
2012年9月~:
BMW 740Li (F02)
2012年10月~:
BMW M135i (F20)
240 kW (326 PS):
2014年4月~:
BMW M235i (F22)
2015年5月~:
BMW M135i LCI (F20)
272 kW (370 PS):
2016年1月~:
BMW M2 (F87)
265 kW (360 PS):
2016年1月~:
BMW X4 M40i (F26)
これらの車種に搭載されることで、それぞれのモデルに力強い走りと高いパフォーマンスを提供しました。
まとめ
BMW N55エンジンは、
BMWの
直列6気筒エンジンの歴史における重要なマイルストーンと言えるでしょう。低速トルクの厚さとスムーズな加速感というメリットを持つ一方、従来モデルとは異なるドライビングフィーリングも特徴です。多くの
BMW車種に搭載され、その性能の高さと信頼性で高い評価を得ています。
BMWの歴史と技術革新を象徴するエンジンとして、今後もその名を残していくことでしょう。