BMW・X5

BMW X5：歴史と進化を辿るラグジュアリーSUV

BMW X5は、ドイツの自動車メーカーBMWが製造・販売するスポーツ・アクティビティ・ビークル（SAV）です。BMWが独自に定義するSAVというカテゴリーのパイオニアとして、2000年の初代モデル登場以来、世界中の顧客から高い評価を得てきました。本稿では、X5の歴史、各世代の特徴、そして進化の軌跡を詳細に解説します。

初代X5（E53型：2000年 - 2007年）

BMW 5シリーズ（E39型）をベースに開発された初代X5は、革新的なデザインと高い走破性で大きな話題を呼びました。パワートレーンは、ガソリンエンジンが中心で、直列6気筒やV型8気筒エンジンが搭載されました。日本市場では、4.4i、3.0i、4.6isといったグレードが展開され、価格は667万円から1200万円と、当時の高級SUV市場において高い価格帯に位置づけられていました。また、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が用意され、オプションとしてスポーツパッケージも用意されました。安全性能においては、2006年度の米国道路安全保険協会（IIHS）の調査で後方からの追突時の安全性が低い評価を受けた点が課題として挙げられます。

2代目X5（E70型：2007年 - 2013年）

2007年に登場した2代目X5は、初代モデルと比較して車体が大型化。幅が60mm、全長が165mm、ホイールベースが110mm拡大し、より広々とした室内空間を実現しました。BMW車として初めて3列シートが設定されたことも大きな特徴です。パワートレーンは、3.0si、4.8iといったガソリンエンジンに加え、後に高性能モデルであるX5 Mもラインアップに加わりました。また、xDriveシステムの採用により、四輪駆動性能が向上しました。しかし、xDrive50iやX5 Mに搭載された4.4Lツインターボエンジン（N63B44A、S63B44）では深刻なエンジントラブルが報告されており、信頼性面での課題も存在しました。この世代では、VIP向けに装甲を強化した「X5 セキュリティ プラス」も設定されました。日本市場では、順次ディーゼルエンジン搭載モデルも導入されました。

3代目X5（F15型：2013年 - 2019年）

3代目X5は、洗練されたデザインと先進的な技術を搭載し、更なる進化を遂げました。環境性能にも配慮し、ディーゼルエンジンモデルの導入が拡大しました。この世代でも、xDriveシステムによる高い走破性と、快適な乗り心地が両立されています。

4代目X5（G05型：2019年 - ）

現行モデルである4代目X5は、2019年に登場。デザイン、走行性能、安全性能、快適性など、あらゆる面で更なる進化を遂げました。ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンモデルに加え、マイルドハイブリッドシステムを採用したモデルもラインアップに加わっています。ディーゼルモデルにおいては、2021年にはxDrive 35dに48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載され、2022年には高出力・高トルクのxDrive 40dが追加されるなど、環境性能とパワーの両立が追求されています。

まとめ

BMW X5は、初代モデルの登場から四半世紀近く、常に進化を続けながら、ラグジュアリーSUV市場を牽引し続けています。洗練されたデザイン、高い走行性能、そして先進技術の融合により、高い人気を維持しています。今後の更なる進化にも期待が高まります。

もう一度検索