BNW

BNW：1993年競馬界を席巻した三強の物語

1993年、中央競馬のクラシック三冠路線を舞台に、ビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウイニングチケットという3頭の競走馬による激しい戦いが繰り広げられました。この3頭は、それぞれの頭文字をとって「BNW」と呼ばれ、競馬史に名を残す存在となりました。

それぞれの出自とクラシックへの道

ビワハヤヒデはデビューから圧倒的な強さを発揮し、デビューから6戦で4勝2着2回という好成績を収め、皐月賞へと駒を進めました。ウイニングチケットは皐月賞トライアルである弥生賞でナリタタイシンを破り、4連勝で皐月賞に臨みました。一方、ナリタタイシンは重賞初挑戦となったラジオたんぱ杯3歳ステークスで勝利するも、弥生賞ではウイニングチケットに敗れるなど、安定した走りを見せることができず、8戦2勝という成績で皐月賞に挑みました。

皐月賞：ナリタタイシンの衝撃

皐月賞では、ウイニングチケットが1番人気、ビワハヤヒデが2番人気、ナリタタイシンが3番人気となりました。レースではナリタタイシンが後方から鋭く伸び、ゴール寸前でビワハヤヒデを差し切り、見事勝利を収めました。この勝利によって、それまで2強と言われたビワハヤヒデとウイニングチケットに加え、ナリタタイシンを加えた3強による戦いが注目されるようになりました。

日本ダービー：ウイニングチケットの制覇

日本ダービーでは、皐月賞と同様の人気順となりましたが、3頭の単勝オッズは拮抗しており、三強対決の様相を呈していました。レースではウイニングチケットが内を突く戦法で勝利、ビワハヤヒデが2着、ナリタタイシンが3着となりました。

菊花賞：ビワハヤヒデの完全勝利

菊花賞では、ビワハヤヒデが1番人気、ウイニングチケットが2番人気、ナリタタイシンが3番人気となりました。ナリタタイシンは運動誘発性肺出血の影響もあり、17着と大敗を喫しました。ビワハヤヒデはレコードタイムでの圧勝劇で三冠の一冠を制しました。

古馬時代と引退

古馬となったビワハヤヒデは、天皇賞（春）、宝塚記念などを制し、圧倒的な強さをみせつけました。一方、ウイニングチケットとナリタタイシンは思うような結果を残すことができませんでした。最終的に3頭は全て屈腱炎を発症し、引退することとなりました。

種牡馬としての活躍とその後

引退後は3頭とも種牡馬となりましたが、ウイニングチケットを除いて顕著な成績を残すことはできませんでした。ビワハヤヒデは2020年7月21日、ナリタタイシンは同年4月13日、ウイニングチケットは2023年2月18日にそれぞれ亡くなりました。

1993年のクラシック三冠は、3頭の競走馬の個性と激しい競争が織りなすドラマでした。それぞれの競走馬の強み、レース展開、そして引退後の歩みを知ることで、この時代の競馬の魅力を改めて感じることができるでしょう。BNWの活躍は、多くの競馬ファンにとって忘れられない記憶として、今も語り継がれています。

もう一度検索