BOOTS

福山雅治 4thオリジナルアルバム『BOOTS』

1992年11月21日にリリースされた福山雅治の4枚目のオリジナルアルバム『BOOTS』は、彼にとって初の全曲作詞作曲を手掛けた作品として、その音楽キャリアにおいて重要な位置を占めています。このアルバムは、福山がデビュー後最も多忙な時期に制作されたもので、深夜ラジオのレギュラー番組出演、テレビドラマ、学園祭への参加など、多方面での活躍の合間を縫ってレコーディングが行われました。後年、福山自身もこのアルバムを「思い出深い作品」と語っており、当時の多忙な日々が凝縮された作品と言えるでしょう。

アルバム制作時には、「恋人」という楽曲も収録予定でしたが、プロデューサーの近藤由紀夫の判断により見送られ、次作の「Calling」で改めて制作されることになりました。また、ジャケット写真は、福山初の写真集『Roadsong』の表紙と似たセピア調のカットが使用されており、両作品のつながりを感じさせます。このジャケット写真は、写真家の老田秀夫によって撮影されました。

収録曲について

アルバムには、福山の多様な音楽性が反映された楽曲が収録されています。

1. スタート：毎日放送の番組『テレビのツボ』のオープニングテーマとして使用された楽曲です。
2. Girl：後の29thシングル「Beautiful life／GAME」のカップリングとして、「Girl 2012」というアレンジバージョンが収録されました。この楽曲は、福山の音楽性の変化と成長を示す好例と言えるでしょう。
3. 約束の丘：6thシングルとしてリリースされた楽曲のアルバムバージョンで、イントロにオルガンによる前奏が加えられています。
4. Cool：アルバムのバラエティ豊かな構成を彩る1曲です。
5. ふたつの鼓動：6thシングルのカップリング曲で、イントロにはストリングスによる前奏が加えられたアルバムバージョンです。
6. HARD RAIN：27thシングル「家族になろうよ／fighting pose」には、ライブテイクが収録されました。ライブでの盛り上がりが想像できる楽曲です。
7. 恋：ストリングスを主体としたバラードで、このアルバムの中で唯一ドラムとギターが使用されていない楽曲です。1995年に発表されたサウンドトラック『M-Collection BIRTHDAY PRESENT』ではリメイクバージョンが収録され、2012年の「福山☆冬の大感謝祭」ではピアノ弾き語りで披露されました。時を超えて愛される楽曲です。
8. Hold on Me：福山自身が「ラジオからの帰りの気分を歌った曲」と語るこの曲は、当時、福山が担当していた『オールナイトニッポン』木曜2部での経験が反映されています。放送終了後の明け方に、自身の車で有楽町のニッポン放送本社から川崎市の自宅へ帰る途中の情景が描かれています。
9. Good night：5thシングルのリミックスバージョンで、残響効果が加えられています。
10. みつめていたい：アルバムのラストを飾るバラードです。

総括

『BOOTS』は、福山雅治がシンガーソングライターとしての才能を大きく開花させた作品であり、彼の音楽的ルーツと進化を辿る上で欠かせない1枚です。多忙な時期にも関わらず、自身の内面と向き合い、音楽を追求する姿勢が随所に感じられます。また、アルバム全体を通して、様々なジャンルの音楽に挑戦し、後の音楽活動にも繋がる重要な作品となっています。

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