BOX-AiR

講談社BOXの電子雑誌『BOX-AiR』とは

『BOX-AiR』（ボックス・エアー）は、講談社の文芸書レーベルである講談社BOXが、電子書籍『AiR』とスターチャイルドと共同で創刊した電子雑誌です。2011年2月4日に創刊され、主にiPhone・iPad用のアプリとして販売されていました。また、パソコンのブラウザで読めるPDF版も提供されていました。

概要

『BOX-AiR』は、講談社BOXでデビューした小説家を主要な執筆陣として、連載小説や読み切り小説、漫画などを掲載していました。また、小説の新人賞「BOX-AiR新人賞」を主催し、受賞作や選考会議の模様、全作品の講評などを収録していました。月刊誌として2011年4月から刊行されましたが、2015年7月刊の52号をもって終刊となりました。

創刊の背景

2009年の星海社独立に伴い、『ファウスト』『パンドラ』が休刊となり、執筆の場を失った作家陣の受け皿として創刊されました。しかし、アンチ『ファウスト』を公言していた本田透との共著で知られるフリー編集者・堀田純司が、瀬名秀明、桜坂洋らのSF作家たちと共同で刊行した電子書籍「AiR」が母体となっていたことから、講談社BOX初代部長だった太田克史の路線とは対立関係にありました。そのため、講談社BOX側に残ったレギュラー作家陣の受け皿となることを拒否し、『パンドラ』でデビューした新人作家だけを継承する形となりました。

スターチャイルドとの連携と独自路線

スターチャイルドを後ろ盾としていたため、アニプレックスの管轄下にあった西尾維新作品とのメディアミックス連携はできませんでした。その一方で、スターチャイルド系のZEXCSが参加した文化庁若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ』とタイアップし、独自路線の新人作家発掘を行っていました。しかし、ミステリ色が希薄であったため、終刊後、講談社文芸図書第三出版部は受け皿とならず、浅倉秋成、織守きょうや、ササクラ、手代木正太郎、岩城裕明などの若手作家は、後に他社で活躍することとなりました。

pixivとの連携

2011年4月から11月にかけて、pixiv上で全3回のBOX-AiRアニメイラストコンテストを実施していました。

BOX-AiR新人賞

『BOX-AiR』に掲載する作品として、ストーリーの第1話と第2話および全ストーリーのシノプシスを募集する小説の新人賞です。講談社BOXの編集者のほか、スターチャイルドや『AiR』、講談社映像制作部も選考会議に参加し、受賞作の選考とともにアニメ化の検討も即座に行われました。受賞作は『BOX-AiR』に連載され、単行本1冊分になった段階で講談社BOXより刊行されました。

実際はキングレコード系のガンジスが文化庁の若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ』に参加するための企画で、アニメ制作はガンジスの関連会社であったゼクシズが担当しました。そのため、アニメ向けの作品が重視される傾向がありました。

アニメ化決定作品

いずれもOVAとしてゼクシズが制作を担当しています。

第7回 - 山口優 「アルヴ・レズル -機械仕掛けの妖精たち-」（2011年度受賞作品）
第12回 - 松本逸暉 「みツわの」（2012年度受賞作品）
第19回 - アオヤマミヤコ 「クラゲの食堂」（2013年度受賞作品）
第25回 - 小山恭平 「「英雄」解体」（2014年度受賞作品）

主な連載作品

森野樹 「非現実さん」
分水嶺 「フラ×ソロ マリアお姉さまがみてる」
ササクラ 「梅と言の葉」
ナカオカガク 「篠ノ井東雲の活字獄」
柴田科虎 「シアトロ惑星 ちゅら」
木立嶺 「ホシは経費では落ちません!」
コタニ夕多 「ステレオJK」
柴田科虎 「鏡の国の大飛龍（バハムート）」
ササクラ 「ガンメタル・グレイエリア」
湊利記 「暁のサムライ」
針谷卓史 「ソウル・ヴァクシネイション」

関連情報

講談社BOX：BOX-AiR - BOX-AiR公式サイト
BOX-AiR公式 (BOX_AiR) on Twitter - BOX-AiR公式Twitter
［pixiv］ 【公式企画】講談社×スターチャイルド「BOX-AiR アニメイラストコンテスト」 作品一覧

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