太田克史

太田克史：出版業界に革新をもたらした編集者

太田克史氏は、1972年生まれの日本の編集者です。現在、講談社の完全子会社である星海社の代表取締役社長として活躍しています。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、1995年に講談社に入社。その後、数々の功績を残し、出版業界に大きな影響を与えた人物として知られています。

講談社時代：若手作家育成と新レーベル創設

講談社入社当初は『別冊フレンド』編集部に配属され、漫画家ジョージ朝倉氏を担当していました。その後、文芸局文芸図書第三出版部（通称「文三」）へ異動。京極夏彦氏、清涼院流水氏、上遠野浩平氏、舞城王太郎氏、佐藤友哉氏、西尾維新氏、奈須きのこ氏、竜騎士07氏など、多くの若手作家を担当しました。文芸誌『メフィスト』では「J」の通称で知られていました。

編集者・宇山日出臣氏から強い影響を受け、「最強」「最前線」「天才」「傑作」といった表現を積極的に用いる編集スタイルで知られています。また、大塚英志氏や東浩紀氏といったサブカルチャー界隈の人物からも影響を受け、彼らが編集していた『新現実』（角川書店）とは協力関係を築いた時期もありました。

2003年には、講談社の社内公募企画で最優秀評価を受け、文芸誌『ファウスト』を創刊。講談社史上最年少の編集長として、DTPを積極的に取り入れるなど、革新的な編集体制を構築し、文芸誌界に大きな話題を提供しました。

2006年には、海外文芸出版部へ異動し、「講談社BOX」という新しい文芸レーベルを創刊。小説、漫画、ノンフィクションを総合的に扱うこのレーベルは、海外の若い作家との交流にも積極的で、異例のスピードで部長に就任しました。『ファウスト』編集長と兼務し、講談社本社ビルではなく、第1別館に編集部を構えました。当初は太田氏ともう一人だけの体制でしたが、後に増員されました。

2008年には講談社BOX編集長を離れ、講談社文芸局付き担当部長に就任。その後、2010年には星海社の副社長に就任しました。講談社BOXから独立した星海社には、西尾維新氏、舞城王太郎氏、清涼院流水氏を除く多くの作家が合流し、虚淵玄氏、芝村裕吏氏、小太刀右京氏、野上武志氏など、新たな才能も加わりました。『ファウスト』編集長は継続しましたが、2011年9月末にVol.8をもって休刊となりました。

星海社代表取締役社長：新たな挑戦

2020年、太田氏は星海社の代表取締役社長に就任。講談社時代から培ってきた編集者としての経験と知識、そして新たな才能との協働により、出版業界における更なる活躍が期待されています。

まとめ

太田克史氏の経歴は、若手作家を育成し、新しいレーベルを創設し、出版業界に革新をもたらした編集者としての軌跡を示しています。常に時代の先端を走り続ける氏の今後の活躍から目が離せません。

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