BOYS PLANET

BOYS PLANETとは

「BOYS PLANET（ボーイズプラネット）」は、韓国の音楽専門チャンネルであるMnetが手掛けた大規模なグローバルオーディション番組です。視聴者が「スタークリエイター」となり、自らの手でK-POPボーイズグループのメンバーを選抜するという、視聴者参加型形式を採用しています。この番組は、2021年に放送されたガールズグループオーディション「Girls Planet 999」に続く、「プラネットシリーズ」の第2弾として企画されました。

番組の背景と特徴

前作「Girls Planet 999」が韓国、中華圏、日本の女性を対象としていたのに対し、「BOYS PLANET」は応募資格を全世界の男性へと拡大しました。韓国国内はもちろん、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、中東など、実に84の国と地域、229の芸能プロダクションから多数の志願者が集まりました。番組のプロデューサーは、サバイバルオーディション番組「I-LAND」の演出も担当したキム・シニョンPDが務めています。当初、2022年内の放送が予定されていましたが、新型コロナウイルスのパンデミック緩和に伴い、オンラインで行う予定だった予選の一部がオフラインに変更されたため、スケジュールが延期され、最終的に2023年2月2日に放送が開始されました。参加者は韓国出身者49名のKグループと、海外出身者49名のGグループ、合計98名で構成されました。

制作から放送までの道のり

番組の制作は、2021年12月11日に開催された音楽授賞式「2021 MAMA」の中で発表されました。同時に、応募資格を「2009年1月1日以前生まれの男性」として、志願者の募集が開始されました。その後、2022年2月に一度募集を締め切りましたが、同年6月に放送を翌年上半期に確定すると共に、応募資格を「個人練習生や芸能事務所所属の練習生、デビュー経験者問わず」へと変更し、再度志願者を募りました。さらに、同年7月には応募可能な生年月日を「2010年1月1日以前生まれ」へと拡大するなど、より多くの才能に参加の機会を与えるための調整が行われました。同年夏から秋にかけて、韓国国内だけでなく、ロサンゼルス、中国、シンガポール、日本など、世界各地で対面オーディションを含む複数回の審査が実施されました。そして、2022年12月に合宿および撮影が開始され、番組のコンセプトポスターや参加者全員のプロフィールが公開されるなど、放送開始に向けて準備が進められました。シグナルソング「난 빛나 (Here I Am)」も先行公開され、注目を集めました。

メンターとスタークリエイター

番組には、練習生たちを指導・支援する専門家集団「マスター」がいます。ボーカルマスターとしてイ・ソクフン、ソルジ、イム・ハンビョル、ラップマスターとしてpH-1、ダンスマスターとしてペク・グヨン、チェ・ヨンジュン、LIP Jが参加しました。また、このシーズンから新たな試みとして「スターマスター」制度が導入されました。各ミッションや特定の状況に応じて、様々な分野で活躍する現役のアイドルや俳優などが特別にマスターとして参加し、練習生たちにアドバイスや評価を行いました。一方、「スタークリエイター」と呼ばれる全世界のK-POPファンは、番組の進行において最も重要な役割を果たします。彼らの投票によって、練習生の評価や順位が決定され、最終的なデビューメンバーが選ばれます。

段階的な審査プロセス

番組では、デビューを目指す練習生たちが様々なミッションやテストに挑戦しました。主な審査プロセスは以下の通りです。

- スターレベルテスト: 参加者が自身のパフォーマンス能力を披露し、マスターによってレベル（スターの数）が評価されます。
- シグナルソングテスト: 番組のテーマ曲「Here I Am」を習得し、再度レベル評価を受けます。
- K vs Gグループバトル: 同じ課題曲で、KグループとGグループのチームがパフォーマンス対決を行います。観客投票によるベネフィットが与えられます。
- デュアルポジションバトル: ボーカル&ラップ、ボーカル&ダンス、ラップ&ダンスのいずれかのポジションを選び、チームでパフォーマンス対決を行います。
- アーティストバトル: 番組のために制作されたオリジナル新曲を披露します。視聴者によるマッチング投票でチームが編成されました。
- ファイナルTOP9バトル: 最終候補者たちが2つのチームに分かれ、新曲を披露する最後の評価です。

これらの審査を通じて、視聴者投票によって段階的に脱落者が決定され、生き残った練習生だけが次のステージへと進むことができました。

その他の企画と連動

番組内では、練習生たちの魅力やチームワークを引き出すためのユニークな企画も多数実施されました。代表的なものとして、チーム対抗のダンスバトル「プラネットボーイファイター」や、運動会形式の「第2回プラネット大運動会」などがあります。また、ミュージカルの課題に挑戦するテストや、練習生同士の仲を深める「ベストカップル選抜対決」（未放送）なども企画されました。番組外でも、投票プラットフォームである「Mnet Plus」でのオフィシャルサポート企画や、メタバース空間で練習生と交流できる「BOYS PLANET X The Sandbox」といった、多角的なアプローチでファンが番組に参加し、練習生を応援できる仕組みが構築されました。

デビューとその後の活躍

長い道のりを経て、2023年4月20日に生放送された最終回で、視聴者投票によって選ばれた9名のデビューメンバーが決定しました。彼らは、ジャン・ハオ、ソン・ハンビン、ソク・マシュー、リッキー、パク・ゴヌク、キム・テレ、キム・ギュビン、キム・ジウン、ハン・ユジンです。この9名は、「ZEROBASEONE（ゼロベースワン）」として、2023年7月10日に正式にデビューを果たしました。さらに特筆すべきは、番組に参加したファイナリスト18名全員が、ZEROBASEONE以外のグループやソロとして、続々とデビューを果たしているという異例の状況です。これは、「BOYS PLANET」を通じて多くの才能が発掘され、K-POP業界に新たな活力を与えた証と言えるでしょう。番組から生まれた楽曲もデジタルシングルとしてリリースされ、ファンに親しまれています。

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