BSD/OS

BSD/OS（ビーエスディー・オーエス）は、かつて商用UNIX系OSとして企業向けサーバーに利用されていたオペレーティングシステムです。そのルーツは、4.4BSD-Liteにあり、Berkeley Software Design, Inc.(BSDI)によって開発・販売が行われていました。初期にはBSD/386という名称で知られていました。

開発と歴史

1992年にBSD/386として登場したBSD/OSは、当時、Unixの著作権を巡るUSL（UNIX System Laboratories）との間で訴訟問題が発生。しかし、1994年に和解が成立し、開発は継続されました。

2000年には、BSDIがFreeBSDのCD-ROMを販売していたWalnut Creek CDROMと合併し、FreeBSDとの連携が開始されました。これは、オープンソースのOSと商用OSの技術が融合する興味深い事例でした。しかし、その翌年の2001年には、組み込みOSを専門とするウインドリバー・システムズがBSDIの一部を買収し、BSD/OSの開発は同社に引き継がれました。

ウインドリバー・システムズは、2003年にBSD/OS 5.0をリリースしましたが、同年中にBSD/OSの開発・販売を終了することを発表しました。これにより、BSD/OSは市場から姿を消すことになりました。

特徴

BSD/OSは、非商用のBSDの子孫、例えばFreeBSDやNetBSDと比較して、いくつかの点で独自の特徴を持っていました。

周辺デバイスへの対応力: 守秘義務契約を結ぶことで、一般には対応が難しい周辺デバイスにも対応できた点が大きな特徴でした。これにより、FreeBSDやNetBSDが対応していないデバイスでも動作する場合がありました。
品質の高さ: 商用ソフトウェアとして開発されたため、品質面で高い評価を受けていました。これは、安定したシステム運用を求める企業にとって重要なポイントでした。

BSD/OSの終焉とその影響

BSD/OSの開発・販売終了は、商用UNIX系OSの多様性が失われる一因となりました。しかし、その技術はFreeBSDなどのオープンソースOSに影響を与え、現在でもその遺産が活用されています。BSD/OSが持つ商用としての安定性と、BSDの自由な技術が融合した歴史は、オペレーティングシステムの進化を語る上で重要な要素です。

関連事項

マクニカ: BSD/OS関連の販売代理店として関わっていました。
UNIX: BSD/OSの基盤となるオペレーティングシステム。
Berkeley Software Distribution (BSD): BSD/OSのルーツ。
BSDの子孫: FreeBSD, NetBSDなど、BSDから派生したオペレーティングシステム。
FreeBSD: BSD/OSと密接な関係にあるオープンソースOS。

外部リンク

Wind River Systems



BSD/OSは、その歴史を通じて、商用UNIX系OSの進化とオープンソースの発展に大きく貢献しました。

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