BT (航空機)

ノースロップBT（Northrop BT）

ノースロップBTは、アメリカ合衆国のノースロップ社が設計し、第二次世界大戦中にアメリカ海軍が使用した艦上爆撃機です。この機体は特に、艦上航空戦力の強化に寄与し、その設計は後の名機「SBDドーントレス」の基盤となりました。

設計背景

アメリカ海軍は新たな飛行機の開発を進めており、特に「急降下爆撃機」という新しいコンセプトを採用することが決定されました。このことにより、国内の航空機メーカーに対して新機種の開発を依頼することとなりました。ノースロップ社では、創業者ジャック・ノースロップのビジョンを基にした設計を進め、エド・ハイネマンがその設計を担当しました。

試作機は1935年8月に初飛行し、その後54機が生産され、アメリカ海軍航空隊に配備されました。この機体は、急降下爆撃という独自の戦術に適した設計をされたことが特徴です。

XBT-2とその発展

アメリカ海軍はさらに改良を目指し、XBT-2の開発をノースロップ社に指示しましたが、その後ノースロップ社がダグラス社に吸収されることになりました。ジャック・ノースロップは独立して新たに「ノースロップ社」を設立しましたが、XBT-2の開発はダグラス社に引き継がれ、最終的にSBDドーントレスとして完成しました。

太平洋戦争が始まると、ノースロップBTは実戦部隊からは引き揚げられ、練習機としての運用が主となりました。興味深いことに、この機体のうちの1機は日本海軍に売却され、ダグラスBD爆撃機としてテストが行われました。

主要スペック

ノースロップBTのスペックは以下の通りです：

• - 全長：9.70 m
• - 全幅：12.65 m
• - 全高：3.81 m
• - 全備重量：2,961 kg
• - エンジン：P&W R-1535-94 空冷二重星型14気筒（825 hp×1）
• - 最大速度：357 km/h
• - 実用上限高度：7,700 m
• - 航続距離：885 km

武装

• - 爆弾搭載量：452 kg
• - 機関銃：7.62 mm×1、12.7 mm×2
• - 乗員：2名

関連機体

ノースロップBTは、他の艦上爆撃機や爆撃機とともにアメリカ海軍の航空戦力の一部を担いました。以下に、関連する艦上爆撃機を挙げます：

• - SB2U ヴィンディケイター
• - SBD ドーントレス
• - SB2A バッカニア
• - SB2C ヘルダイヴァー
• - XSB2D デストロイヤー

また、急降下爆撃機というカテゴリーの一例として、ノースロップBTは航空戦の歴史に名を刻む存在となりました。この機体の設計思想は、その後の艦上爆撃機にも大きな影響を及ぼしました。

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