BZK-005 (航空機)

BZK-005無人航空機の概要

BZK-005は、中国の北京航空航天大学と江西洪都航空工業集団によって開発された多機能中高度無人航空機(MALE UAV)です。この無人機は、偵察任務を中心に設計されており、長時間の飛行が可能なため、さまざまな用途で運用されています。

開発の背景

BZK-005の開発は2005年に始まり、2006年の珠海エアショーでプロモーションビデオが公開されました。その後、2009年には北京近郊の飛行場に駐機している様子が撮影された画像が流出し、無人機の存在が広く知られることになりました。特に、2013年には中国からの無人機が日本の防空圏内に接近し、航空自衛隊のF-15戦闘機が緊急発進する事態が発生しました。防衛省はこの無人機を「翼竜」と推定しましたが、その後の分析ではBZK-005の可能性が高いとされています。さらに2018年には、東シナ海上空で日本の防衛省が再びBZK-005を確認しており、中国の無人機に対する注目が高まっています。

機体の特徴

BZK-005の主翼は高アスペクト比の後退翼を採用しており、低翼配置となっています。機体は双ブーム形式であり、ブームの後端には傾斜した垂直尾翼が取り付けられています。また、2本のテールブームの間にはV字の水平尾翼が取り付けられています。機体は複合材料で構成され、軽量でありながら強度に優れています。ランディングギアは前輪式で引き込み可能であり、推進はプッシャー方式です。エンジンはピストン式ですが、詳細は不明な部分が多いです。

派生型

BZK-005にはいくつかのバリエーションがあります。基本型のBZK-005は中高度長距離の無人偵察機として機能しますが、BZK-005Cは攻撃機能を追加し、最大300kg以上の武器を搭載できる能力を持っています。BZK-005Hは中国人民解放軍海軍航空兵に配備されており、偵察や情報収集の任務を担っています。さらに、BZK-005Eは輸出用のバージョンです。また、タイと中国の合同で開発されたDP20-Aは、実質的にはBZK-005の名称変更バージョンと見なされています。

ミッションと技術

BZK-005は機首下部にEO/IRターレットを装備しており、リアルタイムでデータの送受信が可能です。また、機首上面のバルジ部には衛星通信アンテナが設けられており、安定した通信を保証します。

運用者と性能

BZK-005は主に中国人民解放軍および海軍において運用されています。そのスペックは以下の通りです：

• - 全幅：18m
• - 最大離陸重量：1,250kg
• - ペイロード：150kg
• - 実用上昇限度：8,000m
• - 巡航速度：219km/h
• - 航続時間：40時間
• - 離陸滑走距離：600m
• - 着陸滑走距離：500m

このように、BZK-005は高い性能を持つ無人航空機であり、今後もその活躍が期待されています。

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