Badi

ゲイ雑誌『Bʌ́di』：多様な男性像とエンターテイメント性を融合した25年の歴史

『Bʌ́di』（バディ）は、1994年1月（創刊は1993年12月22日）に創刊された、日本の男性同性愛者向け総合情報誌です。当初は『ベスト官能』の増刊号としてスタートしましたが、その後独立し、長年にわたって多くの読者から支持を集めました。2019年3月号をもって休刊するまで、日本のゲイカルチャーを象徴する存在として、独自の地位を築き上げました。

幅広い層をターゲットとした総合誌

『Bʌ́di』の特徴は、そのターゲット層の広さにあります。『G-men』などの競合誌が特定の男性像に焦点を当てていたのに対し、『Bʌ́di』はスポーツマン、マッチョ、美青年、ジャニーズ系など若年層から、ガチムチ系、野郎系まで、幅広いタイプの男性を掲載。さらに、デブ専特集を組むなど、多様なニーズに対応したコンテンツを提供していました。

官能小説、漫画、グラビア、エンタメ記事の融合

雑誌の内容は、官能小説、成人漫画、グラビア写真が中心でしたが、単なる男性ヌードの羅列ではなく、独特な視点や企画で読者の興味を引く工夫が凝らされていました。さらに、読者参加型のアンケート企画や、国内外のゲイに関するニュース、一般誌で活躍するライターによる記事なども掲載。エンターテイメント性の高い芸能ネタなども得意としていました。

豪華な執筆陣と革新的な試み

漫画においては、里見満、広瀬川進、小日向、大久保ニューといった一般誌でも活躍する人気作家を多数起用。海外でも人気が高い田亀源五郎の作品を読める唯一のゲイ雑誌でもありました。 田亀源五郎の代表作「外道の家」は、バディ増刊として単行本化され、小日向、大久保ニューの作品も『Badi Comics』として単行本化されました。また、2009年2月からは毎号オリジナルDVDを付録として付けるなど、業界の先駆けとなる試みを積極的に行い、自社運営のインターネット情報サイトも開設するなど、常に時代の変化に対応した革新的な姿勢を見せていました。2009年1月号からは、A5判からB5判へとサイズアップし、更なる充実を図りました。2014年2月号には、レイザーラモンHGが表紙を飾り、芸人として初めて『Bʌ́di』の表紙を飾るという快挙も達成しています。

歴史と人脈

新宿二丁目のゲイショップ経営者である平井孝氏が、ゲイビデオメーカーやゲイショップなどの協力を得て、『強い男のハイパー・マガジン』というキャッチフレーズで創刊しました。1997年には、キャッチフレーズを『僕らのハッピー・ゲイ・ライフ』に変更。小倉東氏による編集方針の変化が反映されたものと考えられています。

休刊とその後

2018年12月17日、25年の歴史に幕を閉じ、2019年3月号をもって休刊が発表されました。しかし、その間『Bʌ́di』が日本のゲイカルチャーに与えた影響は大きく、多くの読者や関係者に惜しまれつつ、その歴史に幕を閉じました。マツコ・デラックスやブルボンヌといった著名人も、かつて『Bʌ́di』編集部に所属していた経歴を持ち、その人脈の広さからも、雑誌の影響力の大きさが伺えます。現在もオンラインでバックナンバーなどを閲覧できる可能性があります。

販売と価格

全国のゲイショップを中心に販売され、一部の一般書店でも取り扱われていました。Amazon.co.jpでも取り扱いがありました。価格は、DVD付録の有無によって変動していましたが、最終的には毎号DVD付きで1472円（税別）でした。年間購読も可能でした。

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