BASIC

BASICプログラミング言語の全貌

BASIC（ベーシック）は、1964年に米国ダートマス大学で開発された手続き型プログラミング言語であり、その名は「Beginners' All-purpose Symbolic Instruction Code」から派生しています。この言語は、特に初心者向けに設計されており、教育用やシンプルなプログラムの作成に適しています。BASICは、FORTRANに類似した構文を持ち、初期のプログラミング環境において広く利用されました。

BASICの進化と変遷

BASICは大きく 構造化されていないBASIC（Unstructured BASIC） と 構造化されたBASIC（Structured BASIC） に分類できます。

構造化されていないBASIC

1970年代から80年代初頭にかけてのマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータで、一般的に使われていたのは構造化されていないBASICです。この言語は行番号とGOTO文を使用するため、プログラムの構造が非常に散発的で、スパゲティプログラムになることが多く、デバッグが難しいという欠点がありました。この時期に他の構造化プログラミング言語が現れ、大規模なプログラミングには適さないとされました。

構造化されたBASIC

その後、構造化されたBASICが登場し、これによりGOTO文が廃止され、より洗練された制御構造を持つプログラミングが可能となりました。特に 1991年から1993年にかけて設計された Full BASIC は、構造化プログラミングの概念がしっかりと取り入れられ、言語自体の機能も大幅に向上しました。この言語は、他のオブジェクト指向プログラミングが行えるVisual BasicやVB.NETの基盤ともなっています。

BASICの歴史

BASICは、ダートマス大学で数学者ジョン・ケメニーとトーマス・カーツによって教育目的に開発されました。当初のダートマスBASICはコンパイラとして実装され、その後、さまざまなマイコンにインタプリタ方式で組み込まれたことで、この言語は広く普及しました。特に1970年代後半からのマイクロコンピュータの普及とともに、その利用は急増しました。

しかし、BASICの多様性も問題を引き起こしました。多数の方言や独自の拡張が各社で施された結果、あるBASICプログラムが他のシステムでそのまま動作することが難しくなりました。この「方言」は、特定のコンピュータやオペレーティングシステムに依存するプログラミングをもたらし、ANSIによる標準化の試みも効果を発揮し切れないままでした。

BASICの構造と特徴

BASICの基本的な要素には、ステートメントとコマンドが存在します。ステートメントはプログラムの実行を制御する命令であり、PRINT、FOR、IF、などが含まれます。一方、RUNやLIST、SAVEなどのコマンドはプログラムの操作を指示するもので、これらを駆使してプログラムが完成されます。

プログラムの実行は行番号順に行われ、これは特にGOTO文によるフロー管理の要因となります。こうした特徴から、非常に分かりやすい初心者向けの言語としてBASICは長い間親しまれてきました。

結論

BASICはその普及と普遍性により、プログラミング教育において重要な役割を果たしてきました。特に、構造化BASICへの移行は、より複雑で保守性のあるプログラムを可能にしました。それでもなお、時代の流れと共に他の言語に圧倒される存在となり、特にC言語やJavaが広まる中で、プログラミング言語としての地位は徐々に低下しています。しかし、基本的な思想や簡潔さから、今もなお多くのプログラマに親しまれる存在であり続けています。

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