Before the Seventeen's Map

Before the Seventeen's Map

『Before the Seventeen's Map』（ビフォアー・ザ・セブンティーンズ・マップ）は、日本のシンガーソングライター、尾崎豊によるコンピレーション・アルバムです。

この作品は、彼の没後である1997年1月22日に、トランスビート・マスタートラックスからリリースされました。アルバムの核となっているのは、尾崎がプロデビューする以前、まだ十代の若き日に録音されたとされる未発表の歌唱音源です。これらの貴重な音源からボーカル部分が抜き出され、新たに服部克久の手によって壮大なオーケストラアレンジが加えられています。これにより、オリジナル録音時のバンドサウンドなどとは全く異なる、クラシカルかつドラマチックな雰囲気を持つ楽曲群として再構築されています。

アルバムは2枚組の構成となっています。ディスク1には、前述の通り、未発表ボーカル音源にオーケストラアレンジが施された楽曲が収められています。一方、ディスク2には、ディスク1に収録された全ての楽曲のインストゥルメンタルバージョンが収録されており、編曲家である服部克久によるオーケストラサウンドのみを純粋に味わうことができます。

パッケージデザインも特徴的で、LPレコード盤を模した大型のジャケット仕様となっています。さらに、封入特典として、尾崎豊本人の直筆による制作ノートの複製が同梱されており、ファンにとっては資料的価値の高いアイテムとなっています。

商業的な成績としては、リリース後のオリコン週間アルバムチャートで最高位14位を記録しました。累計の売上枚数は約3.4万枚となり、チャートには3週にわたって登場しました。この売上枚数は、尾崎豊がこれまでに発表した全アルバムの中では、売上ランキングで19位に位置づけられています。

収録曲は全て尾崎豊自身が作詞・作曲を手掛けていますが、本作における編曲は全て服部克久が担当しています。

ただし、本作のリリースに関しては、尾崎豊の公式ファンクラブから、故人の創作意図や遺族の意向に反して制作されたものであるとして、「公式作品ではない」との見解が示されているという背景も存在します。この点は、作品を評価する上で考慮されるべき側面と言えるでしょう。

アルバムの売上記録などに関する情報は、当時のオリコンチャートデータに基づいています。

このアルバムは、若き日の尾崎豊の歌声と、後の時代に施された新たな音楽的解釈が融合した、彼のディスコグラフィの中でも特異な位置を占める作品と言えるでしょう。未発表音源の存在と、それに加えられた大胆なアレンジは、多くのファンの間で様々な反響を呼びました。

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