BitDefender

BitDefender：多様なプラットフォームに対応する総合セキュリティソフト

BitDefenderは、ルーマニアのSOFTWIN社が開発・販売する、世界的に高い評価を得ているアンチウイルス[[ソフトウェア]]です。1996年のDOSアプリケーション「AntiVirus eXpert」から始まり、Windows、Linux、macOS、モバイル環境など、幅広いプラットフォームに対応する製品群を展開しています。特に、ヨーロッパ市場では高いシェアを誇ります。

高い検出率と独自の技術

BitDefenderは、高いウイルス検出率と独自のヒューリスティック機能（未知の脅威を検知する技術）を強みとしています。第三者機関によるテストでも常に上位にランクインし、その信頼性は広く認められています。サーバー、デスクトップ、モバイルなど、多様な環境に対応する製品ラインナップを提供することで、個人ユーザーから大規模企業まで、幅広いニーズに対応しています。日本国内では、株式会社サンブリッジセキュアウェイクが法人向け製品の販売とサポートを行っています。

個人向け製品：多様なニーズに対応する4つのエディション

個人向け製品は、Windows環境向けに4つのエディションが用意されています。いずれもリアルタイムスキャンと、動作解析によるマルウェア検知機能（B-Have、AVC）を搭載しており、無料版とは異なる高度な保護を提供します。

BitDefender AntiVirus Plus: 基本的なマルウェア対策機能と、1日200MBまでのVPN接続を提供します。
BitDefender Internet Security: ファイアウォールとカメラ・マイク保護機能を追加。ネットワークトラフィックのリアルタイムスキャンと、盗聴防止機能を強化しています。
BitDefender Total Security: バックアップ、ファイル暗号化、ペアレンタルコントロールなどを搭載。Windows、macOS、Android、iOSに対応したマルチプラットフォーム対応です。
BitDefender Premium Security: VPN接続の無制限利用と、優先サポートを提供します。

macOS向けには「BitDefender Antivirus for Mac」、Unix環境向けには「BitDefender Antivirus Scanner for Unices」（常駐機能なし）が提供されています。モバイル環境向けには、AndroidとiOSに対応した製品が用意され、「BitDefender Total Security」の上位エディションにはモバイル版が同梱されています。これらのモバイル製品は、アンチウイルス機能に加え、バッテリー消費を抑える設計となっています。Android版には、紛失・盗難時のデバイス追跡・ロック・データ消去機能も搭載されています。

法人向け製品：統合された管理コンソールと柔軟なライセンス体系

2015年より、企業、教育機関、政府機関向けには「Bitdefender GravityZone」が提供されています。これは従来の法人向け製品を統合・刷新したもので、シングルライセンスでWindows、Windows Server、Linux、macOSに対応し、統合管理コンソールで全てのエンドポイントとサービスを管理できます。クラウドとオンプレミス両方の展開に対応し、セキュリティ機能に応じて複数のエディションが用意されています。エディションは柔軟に変更でき、パッチ管理やストレージ暗号化機能も追加可能です。

Bitdefender GravityZone Business Security: 基本的なエンドポイント保護
Bitdefender GravityZone Advanced Business Security: 仮想環境向けスキャンサーバ利用可能
Bitdefender GravityZone Elite: 自動サンドボックス検査、機械学習スキャンエンジン搭載
Bitdefender GravityZone Ultra: EDR（Endpoint Detection and Response）機能搭載

個人向け無料版とその他ツール

BitDefenderは、長らく無料版「BitDefender Free Edition」を提供していましたが、2021年末に配布を終了し、その後「Bitdefender Antivirus Free for Windows」など新たな無料サブスクリプションサービスに移行しました。また、「BitDefender Online Scanner」「BitDefender Quick Scan」などの追加ツールも提供されています。過去にはフィッシング対策ツールやチャット暗号化ツールなども提供されていましたが、現在は提供されていません。

OEM製品とトラブル事例

ソースネクストの「ZERO スーパーセキュリティ」はBitDefenderをベースとしたOEM製品です。2010年には、自動アップデートによる誤検出でOSが起動不能になるトラブルが発生した事例もあります。

まとめ

BitDefenderは、長年にわたり培われた技術と、多様なプラットフォームへの対応、柔軟なライセンス体系によって、個人ユーザーから大企業まで、幅広いユーザーのセキュリティニーズに応える製品群を提供し続けています。継続的なアップデートとセキュリティ技術の進化によって、今後もその地位を維持していくことが期待されます。

もう一度検索