BlackBerry Enterprise Service
BlackBerry Enterprise Service（BES）は、カナダのBlackBerry社が提供する、企業向けスマートフォン「BlackBerry」の利用を支援するサービスです。主に企業内のメールシステムと連携し、プッシュ型メールやスケジュール同期などの機能を提供します。
BESは、企業が利用するGroupWise、Lotus Notes、Microsoft Exchange ServerなどのメールシステムとBlackBerry端末を連携させ、メールの送受信やPIM（アドレス帳、スケジュール、To-Do、ドキュメント）の同期を可能にします。ユーザーは端末を操作しなくても、プッシュ型メールでメールの着信やスケジュールの更新をリアルタイムで受け取ることができます。
クライアント側での複雑な設定は不要で、セキュアな社内アクセスが可能なため、欧米の多くの企業や官公庁で利用されていました。これらの仕組みを実現するために、BlackBerry Enterprise Server（BES）というミドルウェアが利用されます。
BESは、ITポリシーと呼ばれる設定を端末にリモートで適用する機能も持ち、企業はセキュリティポリシーを徹底することが可能です。
BlackBerry Enterprise Serverの開発は終了しましたが、2015年に買収したグッド・テクノロジー社の技術を統合し、2016年12月からはBlackBerry Unified Endpoint Management（BlackBerry UEM）として開発と提供が継続されています。
日本では2006年9月より、NTTドコモがBlackBerry Enterprise ServerとBlackBerry端末の提供を開始しました。当初は英語版のみでしたが、現在は日本語版も提供されています。
2015年9月には、グッド・テクノロジー社を買収し、そのモバイル端末管理ソリューションをBlackBerryブランドとしてNTTドコモが販売を継続しています。
旧BlackBerry Enterprise Serverについては、2015年11月30日に新規受付を終了し、2017年3月31日にサービスを終了しました。しかし、2016年7月27日には、日本で法人向けソフトウェア事業の再開が発表されました。
BESの日本語対応バージョンは、以下の通りです。
4.1.4J
4.1.6
4.1.7
5.0.1
5.0.2
BlackBerry Enterprise Serviceは、主にMicrosoft Exchange ServerやLotus Dominoを導入している企業向けのソリューションですが、中小企業や個人向けには、POPやIMAPメールのプッシュ型送受信を特徴とするBlackBerry Internet Service（BIS）も2008年8月より提供されています。
さらに、BlackBerry Enterprise ServiceとBlackBerry Internet Serviceの両方を1台の端末で利用できるBlackBerry Dual Serviceも、2008年9月より開始されています。
これらのサービスを利用するためには、BlackBerry Enterprise Server（BES）というミドルウェアを、Exchange ServerやLotus Dominoなどのグループウェアサーバと同じネットワーク上に設置する必要があります。BESは各グループウェアサーバと常に同期し、BlackBerry端末にメールの配信やPIMの同期を行います。
BESは、メールの配信、PIMの同期に加え、データベースとの同期、添付ファイルの保存など、機能ごとに負荷分散させることも可能です。2008年9月時点での最新バージョンはv4.1.6で、60日間のトライアル版が提供されていました。
BlackBerry Enterprise ServerとBlackBerry端末間の通信は、インターネットや各通信キャリアのパケット網を経由しますが、3DESやAESで暗号化されているため、セキュアな通信が可能です。
通信経路は以下のようになります。
BlackBerry端末 ⇔（パケット網）⇔ 通信キャリア ⇔（専用線など）⇔ ブラックベリー ⇔（インターネット）⇔ BES ⇔（LAN「mapiなど」）⇔ グループウェアサーバ
BlackBerry端末からBESを経由してグループウェアにアクセスし、メールの送受信を行うには、端末側でアクティベーション（端末のアクティブ化）が必要です。BESの管理者がクライアントのメールアドレスに紐付いたパスワードを発行し、端末にそのメールアドレスとパスワードを入力することでアクティベーションを行います。
アクティベーションは、無線で行う方法、サーバとUSBケーブルで直接接続する方法、サーバと同一ネットワーク内のPCとBlackBerry端末をUSB接続する方法の3パターンがあります。端末はアクティベーションを実行するだけで、自動的にBESにアクセスし、メールの送受信やPIMの同期が可能になります。
Lotus NotesやMicrosoft Exchange Serverのメール送受信が可能です。メールサーバにメールが着信すると、BESがBlackBerry端末にメールをプッシュで配信します。BlackBerry端末からメールを送信すると、送信履歴はLotus NotesやMicrosoft Exchange Serverのメールクライアントにも残ります。
メールの添付ファイルは一度BES側に蓄積され、BlackBerry端末からの要求に応じて送信されます。添付ファイルのページ毎に送信することも可能です。
添付ファイルは、Word、Excel、PDF、PowerPoint、JPEG、tiff、png、gif、bmpなどの閲覧に対応しており、機種によってはDocuments To Goというアプリケーションを利用してWord、Excelの編集も可能です。
Lotus NotesやMicrosoft Exchange Serverのアドレス帳、スケジューラー、ToDo、ドキュメントとの同期が可能です。BlackBerry端末からグループ内の会議招集も可能です。同期はリモートだけでなく、クライアントPCとUSBケーブルで接続して行うことも可能です。
サーバー側からBlackBerry端末に対して、端末ごとやグループごとに機能を制限することができます（SMSを使わせない、通話をさせない、サードパーティーアプリをインストールさせないなど）。
暗号化: BESと端末間の通信は3DESやAESなどで暗号化されており、通信の傍受は困難です。
* 遠隔制御: BlackBerry端末を紛失した際には、BESから遠隔で端末の通信を停止したり、リモートワイプ（端末の遠隔初期化）を実施することが可能です。
BlackBerry Enterprise Server Expressは、2010年8月にRIM（Research In Motion）から提供された、BlackBerry Enterprise Serverの無料版です。日本語にも対応しています。
無料版であるため、有料版に比べて機能制限がありますが、基本的な機能は同等です。2010年8月時点ではMicrosoft Exchange ServerとMicrosoft Small Business Serverでのみ利用可能でしたが、2010年11月からはLotus Domino版の提供も開始されました。
制限としては、利用人数が専用サーバでは2000人強、プライマリメールサーバでは75名までとなります。冗長化構成は組めず、ITポリシーも75種類に制限されます。
概要
BESは、企業が利用するGroupWise、Lotus Notes、Microsoft Exchange ServerなどのメールシステムとBlackBerry端末を連携させ、メールの送受信やPIM（アドレス帳、スケジュール、To-Do、ドキュメント）の同期を可能にします。ユーザーは端末を操作しなくても、プッシュ型メールでメールの着信やスケジュールの更新をリアルタイムで受け取ることができます。
クライアント側での複雑な設定は不要で、セキュアな社内アクセスが可能なため、欧米の多くの企業や官公庁で利用されていました。これらの仕組みを実現するために、BlackBerry Enterprise Server（BES）というミドルウェアが利用されます。
BESは、ITポリシーと呼ばれる設定を端末にリモートで適用する機能も持ち、企業はセキュリティポリシーを徹底することが可能です。
BlackBerry Enterprise Serverの開発は終了しましたが、2015年に買収したグッド・テクノロジー社の技術を統合し、2016年12月からはBlackBerry Unified Endpoint Management（BlackBerry UEM）として開発と提供が継続されています。
日本での展開
日本では2006年9月より、NTTドコモがBlackBerry Enterprise ServerとBlackBerry端末の提供を開始しました。当初は英語版のみでしたが、現在は日本語版も提供されています。
2015年9月には、グッド・テクノロジー社を買収し、そのモバイル端末管理ソリューションをBlackBerryブランドとしてNTTドコモが販売を継続しています。
旧BlackBerry Enterprise Serverについては、2015年11月30日に新規受付を終了し、2017年3月31日にサービスを終了しました。しかし、2016年7月27日には、日本で法人向けソフトウェア事業の再開が発表されました。
日本語対応バージョン
BESの日本語対応バージョンは、以下の通りです。
4.1.4J
4.1.6
4.1.7
5.0.1
5.0.2
BlackBerry Internet Service
BlackBerry Enterprise Serviceは、主にMicrosoft Exchange ServerやLotus Dominoを導入している企業向けのソリューションですが、中小企業や個人向けには、POPやIMAPメールのプッシュ型送受信を特徴とするBlackBerry Internet Service（BIS）も2008年8月より提供されています。
BlackBerry Dual Service
さらに、BlackBerry Enterprise ServiceとBlackBerry Internet Serviceの両方を1台の端末で利用できるBlackBerry Dual Serviceも、2008年9月より開始されています。
BlackBerry Enterprise Server
これらのサービスを利用するためには、BlackBerry Enterprise Server（BES）というミドルウェアを、Exchange ServerやLotus Dominoなどのグループウェアサーバと同じネットワーク上に設置する必要があります。BESは各グループウェアサーバと常に同期し、BlackBerry端末にメールの配信やPIMの同期を行います。
BESは、メールの配信、PIMの同期に加え、データベースとの同期、添付ファイルの保存など、機能ごとに負荷分散させることも可能です。2008年9月時点での最新バージョンはv4.1.6で、60日間のトライアル版が提供されていました。
サーバ・クライアント間の通信
BlackBerry Enterprise ServerとBlackBerry端末間の通信は、インターネットや各通信キャリアのパケット網を経由しますが、3DESやAESで暗号化されているため、セキュアな通信が可能です。
通信経路
通信経路は以下のようになります。
BlackBerry端末 ⇔（パケット網）⇔ 通信キャリア ⇔（専用線など）⇔ ブラックベリー ⇔（インターネット）⇔ BES ⇔（LAN「mapiなど」）⇔ グループウェアサーバ
アクティベーション
BlackBerry端末からBESを経由してグループウェアにアクセスし、メールの送受信を行うには、端末側でアクティベーション（端末のアクティブ化）が必要です。BESの管理者がクライアントのメールアドレスに紐付いたパスワードを発行し、端末にそのメールアドレスとパスワードを入力することでアクティベーションを行います。
アクティベーションは、無線で行う方法、サーバとUSBケーブルで直接接続する方法、サーバと同一ネットワーク内のPCとBlackBerry端末をUSB接続する方法の3パターンがあります。端末はアクティベーションを実行するだけで、自動的にBESにアクセスし、メールの送受信やPIMの同期が可能になります。
サーバの機能
メール送受信
Lotus NotesやMicrosoft Exchange Serverのメール送受信が可能です。メールサーバにメールが着信すると、BESがBlackBerry端末にメールをプッシュで配信します。BlackBerry端末からメールを送信すると、送信履歴はLotus NotesやMicrosoft Exchange Serverのメールクライアントにも残ります。
メールの添付ファイルは一度BES側に蓄積され、BlackBerry端末からの要求に応じて送信されます。添付ファイルのページ毎に送信することも可能です。
添付ファイルは、Word、Excel、PDF、PowerPoint、JPEG、tiff、png、gif、bmpなどの閲覧に対応しており、機種によってはDocuments To Goというアプリケーションを利用してWord、Excelの編集も可能です。
PIM同期
Lotus NotesやMicrosoft Exchange Serverのアドレス帳、スケジューラー、ToDo、ドキュメントとの同期が可能です。BlackBerry端末からグループ内の会議招集も可能です。同期はリモートだけでなく、クライアントPCとUSBケーブルで接続して行うことも可能です。
ITポリシー
サーバー側からBlackBerry端末に対して、端末ごとやグループごとに機能を制限することができます（SMSを使わせない、通話をさせない、サードパーティーアプリをインストールさせないなど）。
セキュリティ
暗号化: BESと端末間の通信は3DESやAESなどで暗号化されており、通信の傍受は困難です。
* 遠隔制御: BlackBerry端末を紛失した際には、BESから遠隔で端末の通信を停止したり、リモートワイプ（端末の遠隔初期化）を実施することが可能です。
BlackBerry Enterprise Server Express
BlackBerry Enterprise Server Expressは、2010年8月にRIM（Research In Motion）から提供された、BlackBerry Enterprise Serverの無料版です。日本語にも対応しています。
無料版であるため、有料版に比べて機能制限がありますが、基本的な機能は同等です。2010年8月時点ではMicrosoft Exchange ServerとMicrosoft Small Business Serverでのみ利用可能でしたが、2010年11月からはLotus Domino版の提供も開始されました。
制限としては、利用人数が専用サーバでは2000人強、プライマリメールサーバでは75名までとなります。冗長化構成は組めず、ITポリシーも75種類に制限されます。
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