Bless you, Thank you

シンガーソングライターとして活動するSunnyが放った、通算3枚目のシングル『Bless you, Thank you』（ブレッシュー・サンキュー）は、2001年11月28日にフェイスレコーズより世に送り出された。

前作シングル『正直ジョナサン』からおよそ5ヶ月ぶりの発表となった本作は、Sunnyのアーティスト活動における新たな局面を切り開く重要な作品として位置づけられる。このシングルは通常盤の1形態のみでリリースされた。

表題曲「Bless you, Thank you」

本作のタイトルを飾る「Bless you, Thank you」は、約4分59秒の楽曲だ。この楽曲の最も注目すべき点は、その作詞をMr.Childrenのボーカリスト、桜井和寿が手掛けていることにある。SunnyはMr.Childrenのライブにおいて長年、重要なサポートメンバーとしてキーボードなどを担当しており、両者の間には深い信頼関係と音楽的な繋がりが存在する。この親密な関係性があってこそ実現した、アーティスト間での稀有なコラボレーションと言えるだろう。作曲はSunny自身によるもの。

さらに、サウンド面においては、音楽プロデューサーの冨田恵一が編曲とプロデュースを担当。彼の卓越した手腕により、「Bless you, Thank you」は独特の洗練されたサウンドスケープを築き上げている。ブラスセクションをフィーチャーした豊かなアンサンブルが特徴的だ。

この楽曲は、TBS系列の情報番組『王様のブランチ』にて、2001年10月・11月度のエンディングテーマとして起用され、多くの音楽ファンや一般リスナーにその存在を知らしめた。

「Bless you, Thank you」のレコーディングには、プロデュースも兼任した冨田恵一（Instruments, Treatments）をはじめ、以下の実力派ミュージシャンが参加し、楽曲の完成度を高めている。

- 冨田恵一：Instruments, Treatments
- 山本拓夫：Tenor Sax, Flutes
- 西村浩二：Trumpet
- 小林正弘：Trumpet
- 村田陽一：Trombone
- Sunny：Vocals

カップリング曲「永遠の朝を迎えに行こう」

シングルにはもう一曲、「永遠の朝を迎えに行こう」（約5分49秒）が収録されている。この楽曲は、表題曲とは対照的に、作詞、作曲、編曲、そしてプロデュースの全てをSunny自身が一人で手掛けている。

これにより、彼のソングライター、プレイヤー、アレンジャー、プロデューサーとしての多角的な才能と、よりパーソナルな音楽観が色濃く反映された仕上がりとなっている。

「永遠の朝を迎えに行こう」の演奏には、以下のミュージシャンが名を連ねる。Sunny自身もボーカルはもちろんのこと、アコースティックピアノやシンセサイザーを演奏しており、表題曲の壮麗なサウンドとは異なり、よりバンドアンサンブルに根ざした、温かみのある響きを持っている。

- マツキチ：Drums
- 山田 "Anthony" サトシ：Bass
- 福原 "King" 将宜：Acoustic Guitar, Electric Guitar
- Sunny：Vocals, Acoustic Piano, Synthesizer

アートワーク

本シングルのパッケージデザインを含むアートディレクションは、井出裕佳子が担当した。アーティストのイメージや楽曲の世界観を視覚的に表現する重要な役割を担っている。

収録曲

全作曲：Sunny

1. Bless you, Thank you [4:59]
- 作詞：桜井和寿
- 編曲・プロデュース：冨田恵一
- TBS系情報番組『王様のブランチ』2001年10月・11月度エンディングテーマ
2. 永遠の朝を迎えに行こう [5:49]
- 作詞・編曲・プロデュース：Sunny

総括

『Bless you, Thank you』は、Sunnyのシンガーソングライターとしてのキャリアにおいて、外部の優れた才能との協働と、自身の内面から生まれる表現の両面を探求した意欲的な作品である。特に、Mr.Childrenのライブサポートメンバーという立場から発展した桜井和寿との作詞におけるコラボレーションは、本作に大きな話題性をもたらした。また、冨田恵一による洗練されたプロデュースと、Sunny自身のセルフプロデュース楽曲とが対比をなすことで、アーティストとしての幅広さを示すことに成功している。このシングルは、2001年当時の日本の音楽シーンにおいても、アーティスト間の繋がりや多様な音楽的アプローチが凝縮された一枚として、記憶されるべき作品と言えるだろう。

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