小林正弘

小林 正弘（こばやし まさひろ）は、日本の著名なトランペット奏者。1956年10月24日に東京都で誕生した。そのキャリアは、ジャンルを超えた多岐にわたる音楽活動によって特徴づけられている。

幼少期にあたる5歳からトランペットを始めた小林は、その才能を早くから開花させた。高校在学中には、ロックバンドRCサクセションのサポートメンバーとしてプロの音楽家としての第一歩を踏み出す。その後、国立音楽大学に進学したが、キャンディーズのバックバンド「MMP」への参加など、プロの現場での活動が多忙を極めたため、大学を中途退学するという選択をする。

1979年には、日本を代表するビッグバンドの一つである「宮間利之&ニューハードオーケストラ」に一年間在籍し、ジャズオーケストラにおけるトランペットのスキルを磨いた。ニューハードを退団してからは、トランペット奏者の大先輩である数原晋に師事し、その側近（サイドマン）として数多くのスタジオレコーディングに参加。日本のポップス、ロック、フュージョンといった様々なジャンルの音源制作に貢献するようになる。

1980年代後半に入ると、サックス奏者の小池修らとともに自身のホーンセクションを結成。このセクションは、多くのアーティストのレコーディングやライブサポートに引っ張りだこになり、そのパワフルかつ洗練されたサウンドで高い評価を得た。

自身のリーダープロジェクトとしても積極的に活動を展開する。1994年にはフュージョンバンド「Source」を結成し、精力的なライブ活動を展開。1997年に発表した初のアルバム『Source』は、音楽専門誌「ADLIB」の読者人気投票において、その年の「最優秀新人バンド賞」を受賞するなど、高い注目を集めた。1998年には新たにバンド「Kicks」を立ち上げ、翌1999年11月には同名アルバムをリリース。さらに2001年には、ボサノバのエッセンスを取り入れたバンド「Nouvelle-B」を結成するなど、多様な音楽性への探求を続ける。現在も、エリック・ミヤシロ率いる「EM BAND」などで精力的に演奏活動を行っている。

また、小林正弘は家族とも音楽を通じて深い繋がりを持つ。実弟の小林太もまた著名なトランペット奏者であり、「BIG HORNS BEE」などのバンドで活躍している。この兄弟は「小林ブラザーズ」、または「兄弟HOT! BROTHERS」としても知られ、度々ライブなどで共演し、トランペットならではの熱気あふれるパフォーマンスを披露している。

長年にわたる彼のキャリアにおいて、スタジオミュージシャンとして参加した作品は数え切れないほど多い。日本の音楽シーンを彩る多くの著名アーティストのレコーディングにその名を刻んでおり、その一部を挙げると、山下達郎、オフコース、角松敏生、浜田省吾、T-SQUARE、L'Arc〜en〜Cielなどが含まれる。これらの作品における彼の演奏は、楽曲に深みと輝きを与える重要な要素となっている。


小林正弘は、トランペット一本で日本の音楽界に確固たる地位を築き上げたベテラン奏者である。その柔軟な対応力と高い演奏技術は、多くのミュージシャンやファンから敬愛されている。

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