Blue Moon Blue

今井美樹さんの通算8枚目となるシングル「Blue Moon Blue」（ブルー・ムーン・ブルー）は、1992年11月6日にリスナーのもとに届けられました。この作品は、当時のフォーライフ・レコード（現在はフォーライフミュージックエンタテイメントとして事業を展開しています）から発売され、今井さんのキャリアにおける重要な一歩を刻みました。

楽曲解説

このシングルの表題曲「Blue Moon Blue」は、その後の日本の音楽シーンでも多大な功績を残すことになる音楽家、久石譲さんが編曲を担当しています。久石さんの手によって、楽曲は壮大なスケール感を持つバラードとして完成しました。単なる感傷的なバラードに留まらず、ジャズの調べが繊細に取り入れられている点が、この楽曲の大きな特徴と言えます。

流麗なストリングスの豊かな響きと、静かでいて表情豊かなピアノの音色が絶妙に組み合わさることで、楽曲全体に奥行きと洗練された雰囲気が生まれています。これらの楽器の音色が紡ぎ出すサウンドは、まるで静まり返った夜空の下にいるかのような、あるいは月明かりに照らされたような、ロマンチックで物憂げな情景を聴く者に想起させます。夜の帳が降りた時間帯に、静かに耳を傾けたくなるような、そんな魅力を秘めた楽曲です。

「Blue Moon Blue」の作詞は岩里祐穂さんが、作曲は上田知華さんがそれぞれ手掛けています。詞と曲、そして久石譲さんの編曲が見事に調和し、唯一無二の世界観を創り出しています。

タイアップ

「Blue Moon Blue」は、映像作品の主題歌としても広く知られることになりました。この楽曲は、1992年にフジテレビと松竹が共同で制作した提携作品『パ★テ★オ』において、そのテレビドラマシリーズ版および劇場公開された映画版のエンディングテーマとして採用されました。『パ★テ★オ』の感動的な物語の締めくくりに、この「Blue Moon Blue」の美しいメロディーが流れることで、多くの視聴者や観客の心に深い印象を残しました。テレビと映画の両方で同じ楽曲がエンディングを飾るという点でも、当時注目を集めたと言えるでしょう。

カップリング曲

シングルのカップリングには、「かげろう」という楽曲が収録されています。この「かげろう」は、作詞を今井美樹さん自身が担当している点が特筆されます。彼女自身の言葉で綴られた歌詞が、楽曲にパーソナルな感情や視点をもたらしています。作曲はMAYUMIさんが手がけ、表題曲と同様に編曲は久石譲さんが担当しています。久石譲さんは、表題曲とはまた異なるアプローチで「かげろう」の世界観を構築しており、シングルの両A面的な魅力、あるいは異なる表情を楽しむことができる作品となっています。

収録曲

このシングルに収録されたトラックは以下の通りです。

• - Blue Moon Blue
• - かげろう
• - Blue Moon Blue (Instrumental)

インストゥルメンタルバージョンが収録されていることで、楽曲の持つ豊かなサウンドプロダクションや編曲の妙を、歌声とは切り離して純粋に味わうことが可能です。「Blue Moon Blue」の編曲の緻密さや楽器の響きに改めて触れることができるでしょう。

「Blue Moon Blue」は、今井美樹さんの繊細なボーカルと、久石譲さんの卓越した編曲、そして珠玉のメロディーと歌詞が見事に融合した一曲であり、今井さんの代表的なバラードナンバーの一つとして、リリースから長い年月を経ても多くのファンに愛され続けています。

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