C-108 (航空機)

C-108 フライングフォートレスについて

C-108 フライングフォートレスは、アメリカ陸軍とボーイング社、さらにロッキード傘下のヴェガ社が共同で開発した輸送機です。もともとはB-17型爆撃機を改装したものであり、試作された機体はわずか4機にとどまります。これらの試作機は、主に第二次世界大戦中の特定の輸送任務に使用されました。

概要

B-17は、広く知られる大型の爆撃機で、その高い能力から大量生産されました。C-108はその派生型であり、1943年から改装が始まりました。改装の結果、爆撃機としての機能が大きく変更され、輸送機としての役割を果たすように設計されています。

B-17は、レシプロエンジンを有する4発の機体で、低い主翼配置と単垂直尾翼が特徴です。オリジナルのB-17には複数の銃座や防弾板が設置されていましたが、C-108に改装される際には、防護装備がかなり削減されました。これにより、輸送任務に特化した構造が求められることとなりました。

各型

C-108シリーズにはいくつかのモデルが存在します。主なものを以下に示します。

XC-108

XC-108は、ダグラス・マッカーサー将軍専用のVIP輸送機として1943年にB-17E（シリアル 41-2593）を改装したものです。この機体は、防弾板を取り外され、機首と尾端にのみ機銃を装備しています。また、機内には執務室と調理場が設けられ、搭乗者の快適性も考慮された設計になっています。

YC-108

YC-108はXC-108とほぼ同等の機体で、B-17F（シリアル 42-6036）を改装したものです。一部機能はXC-108と共有されていますが、特定の任務に適応するためのカスタマイズが施されています。

XC-108A

XC-108Aは1944年に改装された機体で、B-17E（シリアル 41-2595）をベースにしています。全ての武装と防弾板を取り外されたこの機体は、胴体後部左側に貨物扉を設置されており、インドからヒマラヤを越えて中華民国への物資輸送に使用されましたが、エンジンの性能不足から1944年末には運用が終了しました。

XC-108B

この機体は、やはり1944年にB-17F（シリアル 42-30190）を改装したもので、全ての武装と防弾板を取り外し、主に燃料輸送のために機体内に大型の燃料タンクを設けています。XC-108Aと同じく、中華民国への物資輸送に利用されました。

結論

C-108 フライングフォートレスは、B-17という優れた基盤から生まれた輸送機であり、その改装により戦時中の特別な任務を担いました。試作された機体は少数であったものの、それぞれの機体が持つ特性に応じた役割を果たし、多くの期待が寄せられました。B-17はC-108以外にも様々に改装され、さまざまな使用方法が検討されたことから、その多用途性を示す一例と言えます。

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