C-1 (輸送機)

C-1 中型輸送機

概要

C-1は、日本で開発された中型輸送機で、主に航空自衛隊に配備され、輸送任務を担ってきました。この機体は1970年11月12日に初飛行を果たし、特に戦術輸送機として優れた性能を発揮しました。開発及び製造は日本航空機製造（株）や川崎重工業が主導し、合計31機が製造されました。定期的な更新が行われた結果、2023年3月時点での現存機は6機とされています。

開発の背景

C-1の開発に至った経緯は、1955年に航空自衛隊がアメリカから供与されたC-46が主力輸送機として使用されていたことに遡ります。しかし、C-46の老朽化や部品供給の問題から新しい機体の必要性が高まりました。新型機の開発は1956年から検討が開始され、1966年に新規開発が決定した後、基本設計が進められました。1970年には試作機が初飛行を果たし、その後、本格的な運用が始まりました。

設計と性能

C-1の設計は高翼配置の機体で、短距離離着陸性能（STOL）に優れています。この性能のために高揚力装置が導入され、貨物室は多様な任務に対応できる大きさを持っています。また、空挺隊員や物資の降下、貨物の迅速な積み下ろしが可能なシステムも搭載されています。C-1の動力にはターボファンエンジンが使用され、高速・高高度での運用が可能です。

運用とその歴史

C-1の運用が開始されたのは1973年4月からで、以来、空自部隊の主力輸送機として活躍してきました。特に、定期輸送や空挺訓練に使用され、国際的な輸送任務にも貢献しています。また、2002年から2007年までの間、アメリカ軍への輸送支援にも利用されました。

主な運用基地には岐阜基地と入間基地があり、各種試験や定期便に従事しています。

引退と後継機

老朽化が進む中、C-1の用途廃止が2011年度から始まりました。後継機として開発されたC-2は、C-1の機能をさらに向上させた設計であり、正式に2016年から運用が開始されました。C-2は航続距離や積載量が大幅に向上したことで、航空自衛隊の輸送能力を大きく改善しています。2022年にはC-1の運用が終了し、C-2への完全な移行が進められています。

結論

C-1は、日本の航空自衛隊の輸送能力に多大な影響を与えた機体であり、その多様な任務を通じて、国防に大きく貢献しました。今後はC-2がその役割を引き継ぎ、国内外での輸送任務を担うでしょう。

もう一度検索