C-40 (航空機)

C-40輸送機シリーズ

C-40はアメリカ海軍と空軍が運用する人員輸送機で、ボーイング737-700旅客機を元にした軍用機です。この機は、アメリカ合衆国政府高官や兵站輸送など、多様な目的で用いられています。C-40シリーズには、主にC-40A、C-40B、C-40Cの3つのタイプがあります。

C-40A（クリッパー）

C-40Aは海軍において兵站輸送に特化したモデルで、愛称は「クリッパー」と呼ばれています。最新の技術が搭載されており、GPS機能を持つ飛行管理コンピュータやクラス最高の安全機能を装備しています。具体的には、RVSM（Reduced Vertical Separation Minimum）やTCAS II（Traffic Collision Avoidance System）などが含まれ、地上接近警報システムやウィンドシアー予測、戦術航法装置（TACAN）なども備えています。

この機体はC-9Bの後継として導入され、海軍予備役により運用されています。最大121人の乗客を運べ、貨物仕様や貨客両用仕様としても運用可能です。最初の機体は1999年に初飛行し、2001年にフォートワース海軍航空基地に配備され始めました。

C-40B

C-40Bは空軍の高官輸送に用いられる機体で、ボーイング737-700BBJに基づいています。2000年に発注し、2002年には初飛行を行い、翌月から配備が始まりました。このモデルは、高官の移動をスムーズにするために特別に設計されており、ビジネスクラスの座席が配置されています。また、データや音声の暗号化通信が可能なブロードバンド通信環境を整え、航空機内からのインターネット接続が可能です。

さらに、C-40Bには電話やテレビモニター、ファクシミリなどの機器も備わっており、機内で仕事をするための設備が整っています。 2024年にはこの機体に不具合が発生し、一時的に小型ジェットに乗り換えるトラブルもありました。

C-40C

C-40CはC-22の後継として、空軍州兵や予備役軍団に配備される機体です。このモデルもC-40Bと同じくボーイング737-700BBJの軍用型で、2007年までに6機が製造されました。C-40Cは、商用のオフザシェルフ機を使用することで、空軍の要求を満たした初の機体であり、より効率的な調達が可能となっています。

現在の運用状況

C-40シリーズは、それぞれの型で合計19機が製造され、現在もアメリカ海軍や空軍で活発に運用されています。特にC-40Aは、国際的な騒音規制や環境基準に適合し、燃料効率も優れていることが求められています。

要目（C-40A）

• - 全高: 12.55m
• - 全幅: 34.32m
• - 全長: 33.63m
• - 自重: 57,150kg
• - 全備重量: 61,000kg
• - 最大離陸重量: 78,000kg
• - エンジン: CFM56-7 SLSTターボファン（推力121kN）2基
• - 乗員: 5名（ロードマスター含む）
• - 乗客数: 最大121名
• - 積載量: 18,000kg
• - 最大速度: 990 km/h
• - 実用上昇限度: 12,500m
• - 航続距離: 約5,600km

このように、C-40シリーズはアメリカの軍事輸送能力に寄与し続けており、今後も重要な役割を果たすことでしょう。

もう一度検索