C-87 (航空機)

コンソリデーテッド C-87 リベレーター・エクスプレス

コンソリデーテッド C-87 リベレーター・エクスプレスは、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍航空軍（USAAF）のために生産された輸送機です。この機体は、B-24リベレーター重爆撃機を基に改装され、合計287機が製造されました。C-87は、特に長距離航続や高高度性能に優れており、当時広く使用されていたC-47スカイトレインに比べて、より多くの人員や貨物を運ぶための設計がなされていました。

設計と開発

C-87の設計は1942年の初めに開始されました。最初の試作機は1943年に完成しました。改造には、武装の撤去や貨物倉の強化が含まれ、機体前方には荷物の積み下ろしが可能な構造が施されました。最終的に、C-87には最大25名の乗客または12,000ポンドの貨物を搭載できる能力が備わりました。なお、部品不足や生産能力の制約により、エンジンの出力は戦闘用のB-24に比べて劣っていました。

C-87A VIP輸送機

VIP輸送向けに改装されたC-87Aは、快適性を重視した設計がされています。特に大統領のフランクリン・ルーズベルトのために特別に改造された「Guess Where II」は、そのメリットと潜在的リスクを天秤にかけた末に、利用が見送られ、最終的にはエレノア・ルーズベルトの慈善旅行に使用されました。

運用の歴史

C-87は主にアメリカ航空輸送軍団で運用されました。民間航空会社出身の搭乗員によって配置されたこの機体は、大西洋横断航路だけでなく、戦争物資を輸送する重要な役割を果たしました。特に「ハンプ越え」として知られるヒマラヤ横断の航路では、当時の米軍の中で唯一の高性能輸送機として重宝されました。

しかし、C-87には多数の問題がありました。操縦性の悪さやエンジンの不具合、荷物の不適切な積載による不安定性が搭乗員の間で不評を買い、その扱いに苦労する姿が見受けられました。多くの機体が未整備の滑走路で離陸時に問題を抱え、事故の原因となることが多かったのです。これらの特性から、C-87の第一線の任務は次第にダグラス C-54 スカイマスターやカーチス C-46 コマンドーに取って代わられることになりました。

各型

C-87にはいくつかのバリエーションがあります。試作機のXC-87をはじめ、優れた輸送能力を持つC-87、VIP輸送用のC-87Aなどが存在します。また、燃料輸送機独自の仕様を持つC-109もあり、様々な運用に応じた型があります。

結論

コンソリデーテッド C-87 リベレーター・エクスプレスは、戦時中に製造された重要な輸送機であり、その特性と運用の歴史は航空機の進化の一端を示しています。多くの課題を抱えながらも、戦争の激動の中で貴重な役割を果たしました。

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