CAベレス・サルスフィエルド

クルブ・アトレティコ・ベレス・サルスフィエルド：アルゼンチンの名門サッカークラブ

クルブ・アトレティコ・ベレス・サルスフィエルドは、アルゼンチン・ブエノスアイレスを拠点とする、長い歴史と輝かしい実績を持つスポーツクラブです。特にサッカー部門は、アルゼンチンのプロリーグであるリーガ・プロフェシオナルにおいて、その名を広く知られています。

歴史

1910年、ブエノスアイレス近郊のフロレスタ地区で、クラブは産声を上げました。クラブ名は、ホームグラウンドの向かい側に位置する鉄道駅（現在のフロレスタ駅）に由来します。当初は「CAアルヘンティノス・デ・ベレス・サルスフィエルド」という名称でしたが、後に現在の「CAベレス・サルスフィエルド」に短縮されました。

1919年には、アマチュアリーグだったアルゼンチンリーグに初参戦し、準優勝という好成績を収めました。1913年にクラブの組合員となったホセ・アマルフィターニは、1923年に会長に就任。一時退任を挟み、1941年から1969年までの長期にわたり、クラブの発展に尽力しました。

1931年にアルゼンチンリーグがプロ化されると、ベレスはその創設メンバーの一員として参加。1941年に2部リーグに降格するも、1943年には1部リーグに復帰し、現在に至るまでトップリーグに在籍し続けています。アルゼンチンリーグの通算順位表では、常に上位に位置しています。

黄金時代

1968年にリーグ初優勝を飾った後、ベレスは1990年代に黄金時代を迎えます。カルロス・ビアンチ監督の就任後、GKホセ・ルイス・チラベルトやキャプテンのロベルト・トロッタといった名選手を中心に、数々のタイトルを獲得しました。1994年には、南米最強クラブを決めるコパ・リベルタドーレスで優勝。さらに、同年のトヨタカップでは、イタリアの強豪ACミランを破り、世界一の称号を手にしました。

愛称とスタジアム

ベレスの愛称「El Fortin（エル・フォルティン）」は、「要塞」を意味します。これは、かつてクラブのスタジアムがあった場所の景観に由来すると言われています。現在のホームスタジアムは、リニエルス地区にあるエスタディオ・ホセ・アマルフィターニで、1978 FIFAワールドカップの開催地の一つにもなりました。収容人数は約5万人です。

サポーターとライバル

ベレスのサポーターは「Fortineros（フォルティネロス）」と呼ばれ、ブエノスアイレス市西部を中心に、アルゼンチン全土に広がっています。特定のライバルは存在しませんが、近隣のクラブ、フェロ・カリル・オエステとは、かつて「西部ダービー」として知られるライバル関係にありました。

タイトル

ベレスは、これまでに数多くのタイトルを獲得しています。主なタイトルは以下の通りです。

国内タイトル
スーペルリーガ・アルヘンティーナ (1部): 10回
スーペルコパ・アルヘンティーナ: 1回
国際タイトル
トヨタカップ: 1回 (1994)
コパ・リベルタドーレス: 1回 (1994)
スーペルコパ・スダメリカーナ: 1回 (1996)
レコパ・スダメリカーナ: 1回 (1997)

ユニフォーム

ベレスの伝統的なユニフォームは、胸にV字のデザインが施されたものです。このデザインは、元々はラグビーチームのために用意されたものでしたが、サッカーチームがこれを採用し、現在に至っています。

その他

ベレスは、サッカー以外にも、バスケットボールやバレーボールなどのスポーツチームを所有しています。特に女子バスケットボールチームは、アルゼンチン国内でトップレベルの実力を誇ります。

クルブ・アトレティコ・ベレス・サルスフィエルドは、アルゼンチンのサッカー史に名を刻む名門クラブとして、これからもその歴史を刻み続けていくでしょう。

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