CALIPSO

CALIPSO（Cloud-Aerosol Lidar and Infrared Pathfinder Satellite Observations）

CALIPSOは、アメリカ航空宇宙局（NASA）とフランス国立宇宙研究センター（CNES）によって開発された地球観測衛星です。この衛星は、地球の雲とエアロゾルの詳細な観測を行うことを目的としており、宇宙環境の変化を把握するための重要な役割を果たしています。2006年4月28日、CALIPSOはCloudSatとともにデルタIIロケットによって打ち上げられ、カンヌ・マンドリュー宇宙センターでPROTEUSバスを基盤に製作されました。

観測の仕組み

CALIPSOは、リモートセンシング技術を用いて常時、地球の大気中の雲とエアロゾルの状況を監視しています。この衛星は、A-trainと呼ばれる衛星コンステレーションの一部であり、特にCloudSatとの連携観測を通じて、15秒ごとに同じ地点の上空を通過し、データを収集しています。これにより、より高精度で時系列的な観測が可能になっています。

主要な観測機器

CALIPSOには、いくつかの高度な観測機器が搭載されており、以下のものが代表的です：

1. Cloud-Aerosol Lidar with Orthogonal Polarization (CALIOP)
LIDARを使用し、532nmおよび1064nmの二つの波長で雲とエアロゾルの高分解能の鉛直分布を観測します。この機器は、特にエアロゾルの特性を評価するために非常に重要です。

2. Wide Field Camera (WFC)
高空間分解能の画像を撮影するために設計されており、気象学的なデータ解析にも利用されます。このカメラは、Ball Aerospace製のCT-633アストロトラッカーカメラを改良したもので、Aqua衛星のMODISと連携して使用されます。

3. Imaging Infrared Radiometer (IIR)
巻雲の放射率と粒径を測定するのに特化した機器です。このデータは、大気の温暖化や冷却に関する研究に役立ちます。

ミッションの進展

CALIPSOは2009年2月にバックアップ用のレーザーに切り替えられました。初代レーザーは約3年間の運用を経てその役目を果たしましたが、予備のレーザーの方が期待以上に長持ちし、快適に稼働しています。このことから、2009年6月にCALIPSOのミッションが拡張されました。

結論

CALIPSOは、地球の気候システムの理解を深めるために、国際的な協力のもとで運営されています。その豊富なデータは、気象学だけでなく、環境科学など幅広い分野での研究に貢献しており、将来的な成果が期待されています。より詳細な情報を知りたい方は、NASAやCNESの公式ページを訪れることをお勧めします。

もう一度検索