CBCラジオ長島送信所

CBCラジオ長島送信所：東海地方の放送を支える拠点

CBCラジオ長島送信所は、三重県桑名市長島町に位置する、CBCラジオの主要送信所です。愛称は「CBCラジオ名古屋送信所」で、名古屋地区において三重県内に唯一存在するAMラジオ放送の主幹送信所として知られています。

送信所の概要と特徴

送信所は、ナガシマスパーランドや伊勢湾岸自動車道湾岸長島インターチェンジの北側にあり、揖斐川、長良川、木曽川の輪中地域という地理的特性を活かしています。この立地は、かつての鳴海送信所に比べて地電位が低く、電波の到達範囲が格段に向上した要因の一つです。一方で、夜間には海外からの大出力局との混信が課題となっています。

送信設備は、高さ130mの鉄塔に設置された円管柱アンテナを使用しています。局舎には「CBCラジオ」のロゴが掲げられ、夜間には赤色のネオンサインが点灯します。

2013年には、送信所敷地内に1.645MWの大規模太陽光発電設備「長島太陽光発電所」が稼働を開始。環境への配慮と最新技術の導入を両立させています。1992年から2021年までAMステレオ放送を実施していましたが、現在はモノラル放送となっています。

放送エリアと中継所

長島送信所は、主に東海3県（愛知、岐阜、三重）全域と静岡県西部の一部をカバーしています。しかし、豊橋市（愛知県）、高山（岐阜県）、伊賀地域（三重県）など、送信所からの距離が離れた地域には、電波の届きにくい場所があり、それらの地域へは中継所が設置され、放送エリアを確保しています。

歴史と変遷

CBCラジオの前身である中部日本放送（CBC）は1950年12月15日に設立されました。1951年9月1日、愛知県名古屋市緑区鳴海町の鳴海送信所から、周波数1090kHz、出力10kWで本放送を開始しました。

その後、周波数の変更や出力の増強を繰り返しながら放送を続け、1978年11月23日、現在の長島送信所へ移転。同時に周波数を1053kHzに変更し、鳴海送信所は廃止されました。

長島送信所への移転は、放送エリアの拡大と電波伝播の改善に大きく貢献しました。その後も、AMステレオ放送の開始（1992年）、送信設備の改修工事（2009年）、太陽光発電設備の稼働開始（2013年）、AMステレオ放送の終了（2021年）など、様々な変化を経験しながら、現在も東海地方の放送を支えています。

関連施設

長島送信所以外にも、CBCラジオは放送エリアを拡大するために、様々な送信施設や中継局を利用しています。

東海ラジオ放送七宝送信所: 東海ラジオ放送の主要送信所
NHK鍋田ラジオ放送所: NHKラジオの送信所
三国山（岐阜県）: CBCラジオと東海ラジオ放送のFM補完中継局（ワイドFM）がある山
名古屋テレビ塔: 現在は送信施設として使用されていない
東山タワー: FMラジオ放送の基幹親局
瀬戸デジタルタワー: 中京圏の地上デジタルテレビ放送の基幹親局

これらの施設と連携することで、CBCラジオは東海地方全域への安定した放送を可能にしています。長島送信所は、CBCラジオの歴史と技術を象徴する重要な施設であり、これからも東海地方の放送文化を支え続けるでしょう。

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