CCRE

CCRE株式会社について

CCRE株式会社（シー・シー・アール・イー）は、日本のエンターテインメント業界において、邦画制作出資や配給、DVDビデオソフトの企画・発売、さらには出版事業を行っていた企業です。社名のCCREは、「CUSTOMER CONCIERGE RIGHTS ENGINE」の略称であり、顧客の知的財産を重視したビジネスモデルを意味しています。しかし、企業は2010年5月に破産手続を開始し、現在は清算段階にあります。

歴史と概要

CCREの前身は2005年8月に設立されたCCRエンタテインメント株式会社で、これはTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）から独立した形で創業されました。最初は、CCCのコンテンツ企画グループの一部門が事業を譲渡され、映画制作やDVDビデオソフトの企画、発売を行うことになりました。

創業当初から、同社は流通の専門知識を活かし、日本で唯一の知的財産事業の販売を行う会社であるとの自負がありました。主な業務としてはDVDビデオソフトの企画・発売が挙げられ、特に人気のある映画やお笑いタレントの作品、また過去のテレビアニメ作品のDVD化に注力していました。これにより、200タイトル以上のソフトを世に送り出すなどの成果を上げました。その中には、お笑いコンビのオードリーがブレイクする前にリリースされた作品もあり、先見の明が窺えます。

しかし、CCREは知的財産事業の販売を行っているものの、著作権や制作権は原作者や制作プロダクションが所有しているため、同社はあくまでDVD化の権利に関しライセンスを受けている状況でした。そのため、メディア企業や制作プロダクションとは異なるビジネスモデルとなり、大きな収益を上げられないという課題を抱えたままでした。

倒産の経緯

CCRE株式会社は経営の不振から最終的に2010年に破産手続を始めました。映画・ライツ事業の業績低迷や、DVDソフトの販売数が伸び悩む中でも新作タイトルの発売を続けたため、在庫の返品が相次ぎ、資金繰りが困難になりました。結果、2010年3月には東京地裁に民事再生法を申請し、事業継続に向けての努力が行われましたが、大株主のCCCやオリコンは特別損失処理を余儀なくされるなど、経営は厳しくなりました。

当初はスポンサーから支援を得て事業を継続する予定でしたが、思うようなスポンサーが現れず、事業継続を断念。2010年5月には破産手続きに入る事となりました。この影響で、DVDソフトの発売も続けていたため、特に2010年前半に予定されていたいくつかのテレビアニメ作品の発売は途中で中止され、流通在庫のみでの供給が見込まれる事態となりました。

主な発売作品

CCREは数多くのDVDビデオソフトやコンテンツを販売していました。その中には、特に「グラップラー刃牙DVD」や「ドゥニチラヴ」、さらには「緊急発進セイバーキッズ」といった作品があります。また、CDでは「Wedding Celebration」というタイトルの音楽作品も手がけていました。書籍に関しては「おとなのアートBOOK きり絵」というアートに関する書籍を刊行しています。

関連企業と影響

CCREはカルチュア・コンビニエンス・クラブに由来する企業であり、同社の消失は日本のエンターテインメント業界にも影響を及ぼす結果となりました。たとえば、レントラックジャパンやアスコムなど、関連する企業の事業にも影響が見られました。今後も、CCREのような企業の動向がエンターテインメント業界にどのように反映されていくのか、注意が必要です。

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