CHAOS (プロレス)

CHAOS（ケイオス）

新日本プロレスにおいて特異な存在感を示すユニット、CHAOS（ケイオス）は、2009年に結成されました。初期はヒールユニットとして活動していましたが、最近ではベビーフェイスの立場を確立し、多くのファンから支持されています。

結成の経緯

CHAOSの誕生は、2009年4月5日、両国国技館で行われた真壁刀義と中邑真輔の試合中に矢野通が乱入したことから始まります。矢野はG・B・Hに所属していましたが、その場で真壁に対しイスを使った攻撃を行い中邑の勝利を導きました。この事件をきっかけに、矢野はG・B・Hを離反し、中邑と手を組むこととなります。その後、G・B・Hメンバーは次々と矢野派に移行し、最終的にCHAOSが成立しました。

ユニットの特徴

当初、CHAOSは新日本正規軍に対抗する立場にあったため、正統派スタイルのレスラーと凶悪ヒールが混在していました。中でもリーダーの中邑は強い意見を持ちながらも、内部分裂やメンバーの追放劇も展開されました。内藤哲也やカール・アンダーソンといった一部のメンバーは、このような流れの中で追放されました。しかし一方で、メンバー同士の絆も強く、酒宴を楽しむ様子がSNSでシェアされることもありました。

ヒールからベビーフェイスへの転身

CHAOSは初期の頃、観客からはブーイングを浴びていましたが、時が経つにつれユニークでコミカルな試合運びや好ファイトが評価されはじめました。特に鈴木軍やBULLET CLUBへの積極的な迎撃が功を奏し、アンチヒーローとしての人気が急上昇しました。2012年にはオカダ・カズチカが加入し、IWGPヘビー級王座を獲得するなど、CHAOSの名を広める大きな要因となりました。その後、メンバーは徐々にベビーフェイスの立ち位置を取るようになり、特にコミカルなキャラクターの矢野は観客からの愛を受ける存在になりました。

本隊との関係

CHAOSは名目上は反体制側ではありますが、近年では本隊メンバーとの共闘も見られ、特に2019年には棚橋弘至との協力が話題となりました。お互いの利害関係が一致したことで、正式に共闘関係を築くに至りました。

メンバーの変遷

CHAOSは数々のメンバーの入れ替わりがあったものの、主要メンバーである矢野通、石井智宏、YOSHI-HASHIやオカダ・カズチカなどはそのまま在籍し続けています。逆に過去には中邑真輔や高橋裕二郎、ジェイ・ホワイトといったヒール色の強いメンバーが脱退したこともあります。

近年の活動

2023年に入ると、高評価を得ているオカダは新日本プロレスを退団することを発表しました。そのため、CHAOSのメンバー構成は再編の時を迎えていますが、CHAOSの名は既に多くのプロレスファンに浸透しており、今後の展開にも期待が寄せられます。CHAOSの歴史を振り返ると、困難を乗り越え、この混沌のユニットが新たなスタンダードを築き上げてきたことがわかります。今後、CHAOSがどのような進化を遂げていくのか、目が離せません。

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