CHECKERS IN TAN TAN たぬき

『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』

『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』は、1985年4月27日に公開された、日本の音楽グループ、チェッカーズが主演するファンタジー映画です。脚本と監督は川島透が務め、撮影は前田米造によって行われました。この映画では、メンバー全員が実名で出演し、彼らが歌うヒット曲も盛り込まれた内容となっています。特に、「あの娘とスキャンダル」は主題歌として重要な役割を果たしています。また、映画は第9回日本アカデミー賞において話題賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞を受賞し、映画業界においても高く評価されました。

ストーリー

物語は、山奥の森に住む超能力を持つたぬきたちが、人間に化けて音楽を楽しむ平和な生活を送っているところから始まります。しかし、彼らの平穏な日々は、国際的な陰謀団「オペレーション・ランプーン」によって脅かされます。この悪の組織は、たぬきの超能力を悪用しようと企んでいます。逃れようとした七匹のたぬき——チェッカーズは、貨物列車に忍び込み、東京を目指すことに。それぞれの思いを胸に、未知の世界へと旅立ちます。

彼らとは別に、妹分のたぬきポンが通りすがりのカメラマン冬木と出会い、彼の恋人でラジオDJの由美とも関係を築くことになります。東京に到着したチェッカーズは、マネージャーの芝山と出会い、一気にスーパースターとしての道を歩み始めます。

しかし、ある日、フミヤが行方不明になり、実は彼はオペレーション・ランプーンに誘拐されていたのです。フミヤの行方を探すチェッカーズは、ハワイで捕らえられている彼を救出するため、持ち前の超能力を駆使して冒険を繰り広げます。一方、ハワイにいるポンもテレパシーでフミヤの居場所を知りますが、彼女もまた捕らわれてしまいます。

フミヤとポンを無事救出したチェッカーズですが、彼らの正体がたぬきであることが明らかになり、世間からの支持が薄れてしまいます。ファンの声援を受け、チェッカーズは最後のコンサートを無観客で実施し、その模様はテレビ中継されます。

キャスト

チェッカーズ - フミヤ（藤井郁弥）、トール（武内享）、モク（高杢禎彦）、ユウジ（大土井裕二）、マサハル（鶴久政治）、クロベー（徳永善也）、ナオユキ（藤井尚之）
芝山 - 尾藤イサオ（マネージャー）
ポン - 遠藤由美子（雌たぬき）
冬木洋介 - ジョニー大倉（カメラマン）
岸田由美 - 宮崎美子（冬木の恋人）
矢尾勘平 - 財津一郎（歌番組ディレクター）
ロバート・クラム - ジョン・バン・デレーレン（陰謀団の首領）
ジョージ・片山 - 笹野高史（通訳）

音楽

本作では、チェッカーズの持ち歌が多く使用されており、特にサウンドトラックは音楽監督の芹澤廣明が手掛けており、洋楽カバー曲も収められています。全体を通してエモーショナルなナンバーが続き、映画のストーリーと見事に融合しています。

少し異色ながらも、夢と冒険に満ちた『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』は、日本の音楽映画の中でも特別な地位を占める作品です。多くのファンに愛され続ける理由は、彼らがたぬきであるという事実だけではなく、超越した能力と人間ドラマが巧みに描かれているからでしょう。

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