COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック

『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』

2015年に公開された『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』は、ニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーンの人生と音楽を深く掘り下げたドキュメンタリー映画です。監督はブレット・モーゲンで、コバーンの実娘であるフランシス・ビーン・コバーンが製作総指揮を務めています。この映画は、コーバーンの家族が全面的に協力した初のドキュメンタリーであり、そのため彼の私的なアーカイヴや家族が提供した資料にアクセスすることが可能でした。

制作の背景

モーゲンは、2007年にコバーンの未亡人であるコートニー・ラブからのアプローチを受けて制作に取り掛かりました。その過程で、コバーンが1988年に自身の4トラックカセット・レコーダーで完成させたテープのタイトルを映画名に引用し、これは彼の音楽的創造性を象徴しています。この映画では、コバーンの生命における重要な出来事や彼の心の内面を探る形で、彼が昏睡状態に陥った1994年の事件までを扱っていますが、翌年の自殺の直接的な経緯については触れられていません。

公開と受け入れ

『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』は、2015年のサンダンス映画祭で初めて上映され、その後、ベルリン国際映画祭でも公開されました。一般公開は4月に米国と英国で行われましたが、米国ではわずか3つの劇場での上映に留まりました。その後、HBOでの放送が行われ、こちらが興行上の「本命」とされました。日本での公開は同年6月から始まり、その後のDVDとブルーレイのリリースは11月を予定していました。

サウンドトラックについて

2015年11月にはサウンドトラックとして『Montage of Heck: The Home Recordings』がリリースされました。通常盤とデラックスエディションの2種類があり、それぞれに異なるトラック数が含まれています。このアルバムには、ニルヴァーナの楽曲は収録されておらず、主にコバーンの個人的なデモ音源や映画内で使用された楽曲・台詞が収められています。

関連書籍

映画に関連して、米国版と英国版の2種類の書籍が出版されています。共著者はモーゲンとリチャード・ビエンストックで、コバーンのノートやアート、インタヴューの書き起こしが収録されています。米国版は160ページで、英国版は208ページという内容で、カヴァーやページ数が異なります。これらの書籍は映画をより深く理解するための重要な資料となっており、さらに日本語版も2016年に発売されました。

この映画と関連書籍は、カート・コバーンというアーティストの人生や彼の音楽への影響を象徴する貴重な資料であり、ファンや音楽愛好者にとって必見の内容となっています。

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