COEIROINK
COEIROINK（コエイロインク）は、個人開発者のシロワニ氏によって開発された無料の音声合成ソフトウェア、およびその活動の総称です。2021年に公開されて以来、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画投稿サイトで、様々なジャンルの動画制作に活用されています。
2021年、音声合成ソフトの開発者であり、ニコニコ動画でも活動しているシロワニ氏が、一次創作のCVとしての利用を目的として開発・リリースしたAIトークソフトです。現在も不定期にアップデートが続けられています。COEIROINK v1の一部はオープンソースとして公開されていましたが、v2ではソースコードは非公開となっています。また、COEIROINKには、公式キャラクターとその立ち絵が用意されており、ユーザーは自由に好きな合成音声で声当てを行うことができます。
COEIROINKの大きな特徴は、ユーザーが独自の音声ライブラリ「MYCOEIROINK」を作成できることです。VOICEVOXのように文字単位での細かなイントネーション調整も可能で、さらにキャラクターやスタイルを個別に管理・更新できる柔軟性も持ち合わせています。2023年9月のアップデートでは、手描きによるピッチ調整機能が追加され、より繊細な表現が可能になりました。
Windows、macOS、Linux版が提供されており、Windows版とLinux版にはCPU版とGPU版があります。GPU版はCUDAに対応したデバイスでのみ利用可能です。VOICEVOXと比較すると、エンジンや音声ライブラリのサイズが大きい傾向にあり、COEIROINK v2.0.1のWindows GPU版では、ダウンロードサイズは約2GB、展開後のサイズは約6GBに達します。音声ライブラリも1つで約1.5GBと、VOICEVOX全体よりも大きい場合があります。COEIROINKはPythonでローカルホスト上に作成したAPIサーバーをGUIから操作する形式で動作しており、APIを直接使用することも可能です。
2023年6月にリリースされたCOEIROINK v2は、v1がVOICEVOXのUIを利用していたのに対し、独自開発のUIを採用し、VOICEVOX系ソフトウェアから独立しました。シロワニ氏は、VOICEVOXの活発な開発に追従する際のバグ混入や、APIの処理最適化の難しさを理由に、独自UIとAPIの導入を決断しました。VOICEVOXは開発速度が速く、約1ヶ月でアップデートが行われることもありますが、COEIROINK v1は現在もダウンロード・利用が可能です。
v1とv2ではプロジェクトファイルの拡張子が異なりますが、後方互換性があるため、v2からv1のプロジェクトファイルを使用できます。
MYCOEIROINK（通称MYCOE）は、ユーザーが作成したCOEIROINK合成音声の総称、またはそれらの機能を指します。公認の音声ライブラリとは異なり、COEIROINKソフトウェア上からはダウンロードできず、配布者のもとから手動でインストールする必要があります。ユーザーは、ルールに従いながらMYCOEIROINKを作成、使用、配布することができ、配布されたものは他のユーザーも利用可能です。MYCOEIROINK作成ツールとして、Google Colaboratoryのノートブックが公開されており、プログラミング知識がなくても音声ライブラリを作成できます。2024年11月現在、公式サイトには365のMYCOEIROINKと1097のスタイルが登録されています。
COEIROINKには、ソフトウェアとは別に公式キャラクターが存在します。設定は自由に変更可能で、使用する合成音声も限定されていません。キャラクターの立ち絵はPSD形式で配布され、表情や服装の差分が含まれています。また、ゆっくりMovieMaker4用の動く立ち絵や、ミニキャラ素材も提供されています。2024年11月現在、主に3体のキャラクターが存在し、2023年の公式動画で幼少期の立ち絵が使用され、その後一般公開されました。また、システムメンテちゃんと呼ばれるキャラクターも存在し、Live2Dモデルが公開され、利用規約も整備されています。
ソフトウェアからダウンロード可能な公認音声ライブラリは、2024年10月現在で12キャラクター、計66スタイルが利用可能です。これらの音声ライブラリは、ソフトウェアまたは公式サイトからダウンロードできます。公式サイトでは旧バージョンも提供されています。以前はキャラクターごとに分割されていたスタイルも、最新版では統合されています。音声ごとに喜怒哀楽を表現できるものや、声の雰囲気が異なるものが提供されています。一部のキャラクターには公式立ち絵が公開されており、ユーザーはそれらを使用できます。2023年11月には、音声ライブラリ「クロワちゃん」の追加時にダウンロードサーバーが高負荷になるアクシデントが発生しましたが、同時にX(Twitter)上で大きな話題となりました。
COEIROINK投稿祭は、COEIROINKのリリース記念に合わせて毎年11月19日前後に行われる動画投稿祭です。参加者は、COEIROINKの音声を使用した動画をニコニコ動画に投稿します。投稿祭では、各個人や団体からの賞の他に、MYCOEIROINKを使用した動画への「MYCOE賞」、総合優勝者に贈られる「COEIROINK大賞」などがあります。2023年に第一回が開催され、2024年には第二回が開催予定です。
シロワニさんのつくよみちゃんトークソフトは、COEIROINKの前身にあたるソフトウェアです。つくよみちゃんの音声を生成できますが、COEIROINKのような多機能なGUIはなく、PythonのTkinterで作成されたGUIで動作します。以前はGoogle Colaboratoryで動作させるためのリンクも公開されていましたが、現在は非公開となっています。
COEIROINK v1はVOICEVOXのUIと互換性のあるAPIを使用していましたが、v2では独自のUIとAPIを採用し、VOICEVOXから独立しました。v1はVOICEVOX系ソフトとのマルチエンジン機能に対応していましたが、v2では公式には非対応です。しかし、非公式のブリッジを使用することでマルチエンジン機能を利用できます。COEIROINKの開発者のシロワニ氏とVOICEVOXの開発者のヒホ氏は知り合いであり、知識の共有を行うこともあるようです。
COEIROINKの名前の由来は「声色」と「インク」を組み合わせたものです。開発者のシロワニ氏は、COEIROINKの公式ページや立ち絵、公式イラストは自身が描いたものではないことを公表しています。また、シロワニ氏が絵が上手いと言われることについては、特に気にしないという発言をしています。
概要
2021年、音声合成ソフトの開発者であり、ニコニコ動画でも活動しているシロワニ氏が、一次創作のCVとしての利用を目的として開発・リリースしたAIトークソフトです。現在も不定期にアップデートが続けられています。COEIROINK v1の一部はオープンソースとして公開されていましたが、v2ではソースコードは非公開となっています。また、COEIROINKには、公式キャラクターとその立ち絵が用意されており、ユーザーは自由に好きな合成音声で声当てを行うことができます。
特徴
COEIROINKの大きな特徴は、ユーザーが独自の音声ライブラリ「MYCOEIROINK」を作成できることです。VOICEVOXのように文字単位での細かなイントネーション調整も可能で、さらにキャラクターやスタイルを個別に管理・更新できる柔軟性も持ち合わせています。2023年9月のアップデートでは、手描きによるピッチ調整機能が追加され、より繊細な表現が可能になりました。
Windows、macOS、Linux版が提供されており、Windows版とLinux版にはCPU版とGPU版があります。GPU版はCUDAに対応したデバイスでのみ利用可能です。VOICEVOXと比較すると、エンジンや音声ライブラリのサイズが大きい傾向にあり、COEIROINK v2.0.1のWindows GPU版では、ダウンロードサイズは約2GB、展開後のサイズは約6GBに達します。音声ライブラリも1つで約1.5GBと、VOICEVOX全体よりも大きい場合があります。COEIROINKはPythonでローカルホスト上に作成したAPIサーバーをGUIから操作する形式で動作しており、APIを直接使用することも可能です。
主な出来事
- - 2021年5月17日: COEIROINKの前身である『シロワニさんのつくよみちゃんトークソフト』が発表
- - 2021年11月19日: COEIROINK v0.0.1がリリース
- - 2021年12月25日: COEIROINK初の公式動画がニコニコ動画に公開（2日後にはYouTubeにも投稿）
- - 2022年2月26日: COEIROINK v1.0.0が公開、音質が向上
- - 2022年4月2日: MYCOEIROINK機能が公開
- - 2022年春: ニコニコ動画アワードで技術・工作ランキング3位を獲得
- - 2022年8月: 利用規約が緩和され、UTAU用の音声ライブラリ作成も可能に
- - 2023年4月22日: 公式サイトがリニューアル
- - 2023年6月20日: COEIROINK v2として正式リリース、UIが一新
- - 2023年7月11日: 開発者シロワニ氏が月刊ニコニコインフォに出演
- - 2023年10月: MYCOEIROINK数が200を突破
- - 2023年11月18日~20日: COEIROINK投稿祭2023開催
- - 2024年7月: Linux版がリリース
- - 2024年7月5日~6日: オンライン同人即売会「コエイロパレード2024」開催
- - 2024年11月16日~25日: COEIROINK投稿祭2024開催予定
COEIROINK v2
2023年6月にリリースされたCOEIROINK v2は、v1がVOICEVOXのUIを利用していたのに対し、独自開発のUIを採用し、VOICEVOX系ソフトウェアから独立しました。シロワニ氏は、VOICEVOXの活発な開発に追従する際のバグ混入や、APIの処理最適化の難しさを理由に、独自UIとAPIの導入を決断しました。VOICEVOXは開発速度が速く、約1ヶ月でアップデートが行われることもありますが、COEIROINK v1は現在もダウンロード・利用が可能です。
v1とv2ではプロジェクトファイルの拡張子が異なりますが、後方互換性があるため、v2からv1のプロジェクトファイルを使用できます。
MYCOEIROINK
MYCOEIROINK（通称MYCOE）は、ユーザーが作成したCOEIROINK合成音声の総称、またはそれらの機能を指します。公認の音声ライブラリとは異なり、COEIROINKソフトウェア上からはダウンロードできず、配布者のもとから手動でインストールする必要があります。ユーザーは、ルールに従いながらMYCOEIROINKを作成、使用、配布することができ、配布されたものは他のユーザーも利用可能です。MYCOEIROINK作成ツールとして、Google Colaboratoryのノートブックが公開されており、プログラミング知識がなくても音声ライブラリを作成できます。2024年11月現在、公式サイトには365のMYCOEIROINKと1097のスタイルが登録されています。
公式キャラクター
COEIROINKには、ソフトウェアとは別に公式キャラクターが存在します。設定は自由に変更可能で、使用する合成音声も限定されていません。キャラクターの立ち絵はPSD形式で配布され、表情や服装の差分が含まれています。また、ゆっくりMovieMaker4用の動く立ち絵や、ミニキャラ素材も提供されています。2024年11月現在、主に3体のキャラクターが存在し、2023年の公式動画で幼少期の立ち絵が使用され、その後一般公開されました。また、システムメンテちゃんと呼ばれるキャラクターも存在し、Live2Dモデルが公開され、利用規約も整備されています。
公認音声ライブラリ
ソフトウェアからダウンロード可能な公認音声ライブラリは、2024年10月現在で12キャラクター、計66スタイルが利用可能です。これらの音声ライブラリは、ソフトウェアまたは公式サイトからダウンロードできます。公式サイトでは旧バージョンも提供されています。以前はキャラクターごとに分割されていたスタイルも、最新版では統合されています。音声ごとに喜怒哀楽を表現できるものや、声の雰囲気が異なるものが提供されています。一部のキャラクターには公式立ち絵が公開されており、ユーザーはそれらを使用できます。2023年11月には、音声ライブラリ「クロワちゃん」の追加時にダウンロードサーバーが高負荷になるアクシデントが発生しましたが、同時にX(Twitter)上で大きな話題となりました。
COEIROINK投稿祭
COEIROINK投稿祭は、COEIROINKのリリース記念に合わせて毎年11月19日前後に行われる動画投稿祭です。参加者は、COEIROINKの音声を使用した動画をニコニコ動画に投稿します。投稿祭では、各個人や団体からの賞の他に、MYCOEIROINKを使用した動画への「MYCOE賞」、総合優勝者に贈られる「COEIROINK大賞」などがあります。2023年に第一回が開催され、2024年には第二回が開催予定です。
シロワニさんのつくよみちゃんトークソフト
シロワニさんのつくよみちゃんトークソフトは、COEIROINKの前身にあたるソフトウェアです。つくよみちゃんの音声を生成できますが、COEIROINKのような多機能なGUIはなく、PythonのTkinterで作成されたGUIで動作します。以前はGoogle Colaboratoryで動作させるためのリンクも公開されていましたが、現在は非公開となっています。
VOICEVOXとの関係性
COEIROINK v1はVOICEVOXのUIと互換性のあるAPIを使用していましたが、v2では独自のUIとAPIを採用し、VOICEVOXから独立しました。v1はVOICEVOX系ソフトとのマルチエンジン機能に対応していましたが、v2では公式には非対応です。しかし、非公式のブリッジを使用することでマルチエンジン機能を利用できます。COEIROINKの開発者のシロワニ氏とVOICEVOXの開発者のヒホ氏は知り合いであり、知識の共有を行うこともあるようです。
その他
COEIROINKの名前の由来は「声色」と「インク」を組み合わせたものです。開発者のシロワニ氏は、COEIROINKの公式ページや立ち絵、公式イラストは自身が描いたものではないことを公表しています。また、シロワニ氏が絵が上手いと言われることについては、特に気にしないという発言をしています。
関連項目
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