COGAG

COGAGについて

COGAG（Combined Gas turbine And Gas turbine）は、同種または異種のガスタービンエンジンを複数使って推進する方式です。この方式は主に軍艦などの艦船で採用されています。艦船の推進には速度の3乗に比例して必要なエネルギーが増加する特性があります。たとえば、標準速度の12ノットに対して、速度が20ノットの場合、必要出力は約4.7倍、30ノットになると15.6倍に増加します。このため、高速性能の向上は重要ですが、全力運転は艦艇の運航時間のうちわずか5％に過ぎないと言われています。したがって、艦船の機動性を維持するためには、低速運転時の燃料消費を抑えることが求められます。

ガスタービンエンジンの特性

ガスタービンエンジンは、往復運動部分がないため静かで振動が少なく、蒸気タービンよりも暖機運転にかかる時間が短いという利点があります。しかし、オープンサイクルのガスタービンは部分負荷での燃料消費が極めて悪いため、軍艦では多様な速度域における運用を考慮すると燃料消費が増えるという課題があります。この問題を解決するために、COGAGなどの組み合わせ機関が有効とされています。

COGAGの方式

COGAG方式では、低速用の巡航用ガスタービンエンジンと加速用のガスタービンエンジン、いずれもがガスタービンで構成されます。この方式では、一般的に1本の推進軸に対して2基のエンジンが取り付けられます。たとえば、2軸推進艦の場合は4基のエンジンが搭載され、全速航行時には全てのエンジンをフル稼働させます。巡航時には、動かすエンジンを2基に減らしたり、部分負荷で運転することが可能です。さらに、低速時には1基のみを稼働し、他の推進器は無負荷で運転します。

COGAG方式で使用するエンジンは、全て同一機種で統一する利点がありますが、逆に必要な出力を達成できなかったり、出力過剰に陥るリスクもあります。特に全力運転時に必要な出力を満たすと、巡航用エンジンが出力過剰になりがちで、これが燃費において不利な要因となるため、巡航用エンジンは小型かつ低出力のエンジンが用いられることもあります。

実例と運用の工夫

たとえば、ソ連海軍が初めてオール・ガスタービン艦として建造した61型警備艦の事例では、全て同一のガスタービンエンジンを用いていましたが、燃費の悪さが課題となりました。これに対し、1134B型大型対潜艦では、高速用エンジンと巡航用エンジンの2機種を組み合わせた結果、良好な成績を収めています。また、日本の海上自衛隊では、異なるメーカーのエンジンを組み合わせて、全力運転時や巡航運転時に適切な出力を確保しています。ただし、エンジン間には互換性がないため、整備や訓練面での課題が残ります。

アメリカ海軍のオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートは、同一機種2基を使用してCOGAG方式を採用しており、巡航機としては出力が過剰となっている可能性がありますが、機種統一の利便性を重視してこの設計が選ばれています。

結論

COGAGは艦船の高速性能と経済性のバランスを取るために有効な装置ですが、その設計や運用においては多くの考慮すべき要因が存在します。各国の海軍がこの技術をどう活用しているのか、今後の展開にも注目が集まります。

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