Comp

アルバム『comp』の詳細

奥田民生の8枚目のアルバム『comp』は、2005年4月27日にエスエムイーレコーズからリリースされました。このアルバムは、完全限定生産のアナログ盤が同時に発売され、音楽ファンの間で注目を集めました。また、2007年12月19日には完全生産限定盤が再発され、紙ジャケット仕様で新たに登場しました。

アルバムの背景

『comp』は、前作『LION』からわずか半年後のリリースで、通常は2年以上を要する奥田にとって、異例の短期間での制作でした。当初は『LION』のアウトテイクをリリースするために作業を開始しましたが、単なるアウトテイク集ではアルバムを出す意味がないと考え、新たにバンドMTR & Yによる楽曲に統一することに決めました。このため、一部の曲は新たにレコーディングされ、未発表の状態となったアウトテイクも存在します。

今作以降、約10年間にわたり、奥田は新バンドMTR & Yとしてレコーディングやツアーを行い、その結果、ギタリストは奥田一人となります。従来のプロモーションとは異なり、先行シングルはリリースされず、リードトラック「海の中へ」については、プロモーションビデオ（PV）が制作されましたが、奥田本人はこのPVには関与せず、出演もしていませんでした。

加えて、通常のプロモーションから離れ、期間限定の特設サイト「OT40.NET」を開設し、インタビューや動画、ラジオなどを集約した内容でプロモーションを行いました。この新しい試みは、音楽界に新しい風をもたらしました。

収録曲の紹介

アルバムには様々な楽曲が収録され、各曲には独自の背景や意図があります。

• - ギブミークッキー: この曲はライブでのオープニングを意識して作られ、シンプルな構成で奥田のバンドの個性を示す役割を果たしています。特に、イントロが長く続くベースラインは、ベーシストの小原礼の技術を披露するための意図があります。

• - 快楽ギター: 奥田は、ドラマーの湊にジョン・ボーナムをご堪能いただくために制作した曲です。イントロはレッド・ツェッペリンの「Rock And Roll」を模しており、ライブでは他の楽曲の間に演奏されることが多いです。

• - ベビースター: この曲は、広島市民球場でのライブで「新曲」として演奏されました。シングル『スカイウォーカー』と並行してレコーディングされるなど、非常にタイムリーな楽曲です。

• - 細胞: 歌詞の初稿では「内容」となっていましたが、奥田はより適切なものにするために「細胞」に変更しました。

• - 海の中へ: アルバムのリードトラックで、歌詞は心中をテーマにした深い内容が印象的です。

• - スタウダマイヤー: ロサンゼルスでの奥田の心境がそのまま反映された歌詞となっています。

• - 船に乗る: アルバムに収録されたこの曲も、奥田の様々な表現が感じられます。

参加ミュージシャン

このアルバムには、以下のミュージシャンが参加しています:

• - 奥田民生: ボーカル、ギター、パーカッション
• - 小原礼: ベース、パーカッション
• - 湊雅史: ドラムス
• - 斎藤有太: キーボード、ハーモニー

奥田民生のアルバム『comp』は、様々な試みや新しい音楽の形を提示した意欲的な作品であり、彼の音楽キャリアにおいて重要な位置を占めるアルバムとなっています。

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