COOOL

杏里『COOOL』：角松敏生プロデュースによるウェストコーストサウンドの結晶

『COOOL』は、日本のシンガーソングライター、杏里が1984年6月21日にリリースした7枚目のオリジナル・アルバムです。前作『Timely!!』の大ヒットを受け、本作も引き続き角松敏生がプロデュースを担当。角松敏生プロデュースの3部作を締めくくる作品として、高い注目を集めました。

ロサンゼルスでのレコーディングと豪華ミュージシャンの参加

レコーディングはロサンゼルスで行われ、現地の著名なミュージシャンが多数参加しています。ドラムにはレオン・ンドゥグ・チャンクラーとエド・グリーン、ベースにはネイザン・イースト、ギターにはポール・ジャクソン・ジュニアとカルロス・リオスなど、一流のプレイヤーが集結。彼らの演奏によって、アルバム全体にウェストコーストの開放的な雰囲気がもたらされています。

アルバム構成と楽曲について

M-1「BRING ME TO THE DANCENIGHT」とM-2「GONE WITH THE SADNESS」は、曲間を途切れることなく繋げ、一つの楽曲のように構成されています。シングル曲としてリリースされた「気ままにREFLECTION」は、アルバム用にアレンジが異なるバージョンで収録されました。M-4「I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME」は、後に角松敏生が自身のアルバム『The gentle sex』でセルフカバーしています。

再発とマスタリング

『COOOL』は、2008年7月16日に紙ジャケット仕様で再発売され、「気ままにREFLECTION」のB面曲「S・H・A・R・E 〜愛をふたりで〜」が追加収録されました。2011年7月27日には、紙ジャケット仕様のブルースペックCDで再発売。さらに、2023年7月19日には、世界的なシティポップブームを受けて、アナログ盤がカラーレコード仕様で再発売されました。1984年初販盤のマスタリング・エンジニアは、バーニー・グランドマンが担当しています。

参加ミュージシャン

DRUMS：Leon Ndugu Chancler, Ed Green
BASS：Nathan East
GUITAR：Paul Jackson Jr., Carlos Rios, Toshiki Kadomatsu
PIANO & SYNTHESIZER：Don Grusin
SAXOPHONE：Ernie Watts
TRUMPET：Jerry Hey, Gary Grant, Larry Hall
TROMBONE：Charlie Loper
PERCUSSION：Paulinho Da Costa
BASS SYNTHESIZER：Michael Norfleet
SYNTHESIZER OPERATION：Brian Banks
CHORUS：John Lehman, Jim Gilstrap, Darryl Phinnessee, Lisa Roberts, Phyllis St. James, Maxi Anderson, Denise Routt, Susanne Yancy, Miki Howard
HORN ARRANGED：Jerry Hey
* STRINGS ARRANGED：Barry Fasman

『COOOL』は、杏里の代表作の一つであるとともに、80年代のシティポップを代表するアルバムとして、現在も多くの音楽ファンに愛され続けています。ウェストコーストサウンドと角松敏生の洗練されたプロデュースワークが融合した、まさにクールな一枚です。

もう一度検索