CQ-10 (航空機)

CQ-10 スノーグース

CQ-10 スノーグースは、カナダのMist Mobility Integrated Systems Technology（MMIST）社が開発した無人航空機（UAV）で、その設計はパラフォイル（動力付きパラグライダー）を基本にしています。この航空機は、GPSを用いて制御されるため、航空作戦において高い精度が求められます。

基本情報

CQ-10 スノーグースは、最大272kgのペイロードを持ち、実用最大高度は5,500m、速度は45～55km/h、航続距離は940km、または最大20時間の滞空能力を持っています。この無人航空機は、あらかじめ設定された目標地点に到達すると、高度30m（100フィート）で貨物を投下するか、直接着陸する形で機能します。

この機体は、自力での離陸は行わず、利用可能なトランスポート車両や航空機から空中投下された後にパラフォイルを展開して飛行を開始します。この特性を利用することで、無風でも時速55km以上で走行できる環境下では発進が可能です。

モジュール性

CQ-10の設計には、機体中央部に左右3区画、合計6区画のモジュラー式ベイがあり、これにより燃料タンクや貨物室、各種センサー、通信機器などの搭載が可能です。このモジュールの入れ替えにより、さまざまな任務に対応することができ、特に特殊部隊への弾薬や補給品の正確な配布が期待されています。元々は宣撫用のリーフレット散布を目的としていたこの機体は、実用的な運用方法が広がることで多様な役割を果たすように進化しました。

CQ-10AとCQ-10B

CQ-10Aの初飛行は2001年4月、2003年には最初の量産機が納入されました。2005年にはアメリカ軍に初期作戦能力（IOC）が認定され、48機の発注のうち15機が納入されています。ただし、パラフォイル式であるため、地形や風の影響を受けやすく、物資の投下精度には課題がありました。

その後、この問題を経験にCQ-10Bが開発されました。B型ではパラフォイルではなく回転翼を装備したオートジャイロとして機械を改良し、これにより垂直着陸や低空からの物資投下が可能になりました。これにより精密機器の輸送能力も向上し、運用がさらに効率的になりました。

バリエーション

• - CQ-10A : 基本型で、パラフォイルによる浮遊が特徴。
• - CQ-10B : 発展型で、オートジャイロとして機能し、特に精密機器などの輸送に適しています。

技術仕様

• - 全長：2.90m (9ft 6in)
• - 重量：空虚270kg (600lb)、満載635kg (1400lb)
• - 最大積載量：272kg (600lb)
• - エンジン：Rotax 914 ピストンエンジン（出力81kW(110 hp)）
• - 巡航速度：60mph
• - 航続距離：300km (160nm)（34kg(75lb)のペイロード搭載時）
• - 実用最大高度：5,500m (18000ft)
• - 最大到達高度：7,600m

CQ-10は、アメリカ軍だけでなくカナダ軍でも評価試験が行われており、今後の軍事運用において大きな期待が寄せられています。

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