CRIMSON (中森明菜のアルバム)

アルバム『CRIMSON』の概要

『CRIMSON』（クリムゾン）は、日本の実力派歌手中森明菜が1986年12月24日にリリースした10枚目のスタジオ・アルバムです。この作品は、LP、コンパクトカセット、そしてCDの3形態で同時発売され、彼女にとって前年にリリースされた『不思議』に続くアルバムになります。タイトルの「CRIMSON」は「深紅」を意味し、オリコンはこの色合いを「焼けた海やしっとりとした口唇、ドレスの色」と表現しています。

背景と制作

『CRIMSON』は、より女性的で温かみのある音楽をテーマにしています。このアルバムには、実力派の歌手である小林明子と竹内まりやからそれぞれ5曲が提供されており、作り手たちのアイデアが詰まった作品となっています。また、ディレクターの藤倉克己は、このアルバムが「20歳を超えた女性が経験する物語」を意識していると語り、都市に住むキャリアウーマンをイメージしたと言います。

パートの制作は1986年7月から始まり、楽曲には統一感が持たされている一方で、10曲目の「ミック・ジャガーに微笑みを」だけは異なるアプローチが取られました。この楽曲は、特別なSE処理が施されており、実際に中森の部屋で録音された環境音が取り入れられています。これは、アルバム全体の流れとは少し異なる趣があることから慎重に扱われ、結果的に新しい表現が生まれました。

発売後の活動

『CRIMSON』はリリースされた翌年の1987年より、全国コンサート・ツアー「A HUNDRED days」で披露され、音楽番組でも多くの楽曲が演奏されました。中森は彼女の楽曲を音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』で演奏し、特に「約束」や「OH NO, OH YES!」などが注目されました。また、1993年にはこのアルバム収録の「駅」をセルフカバーして披露しました。

昨今のシティポップやアナログレコードのブームにより、このアルバムは再評価され、アナログ盤は高値で取り引きされる人気盤となっています。

批評と評価

公開当時、CDジャーナルは本作を評価し、中森の声の力強さと柔らかさが融合した「シティ・ポップス」と称賛しました。特に、全体を通じて彼女の歌声が前面に出てきているものの、前作同様浮遊感が漂う楽曲構成が印象的だとしています。オリコンの評価でも、アルバムは高い順位にランクインし、見事2週連続で第1位を獲得しました。さらに、1987年には優秀アルバム賞を受賞し、その影響力を証明しました。

収録曲と今後の影響

本アルバムには、竹内まりやが楽曲を提供したことから、後に彼女自身のアルバムでもセルフカバーが行われ、多くの楽曲が広く親しまれることとなりました。したがって、提供された楽曲は竹内の作品としても楽しむことができます。

『CRIMSON』は、中森明菜のキャリアにおいて重要な作品であり、その音楽性やアプローチは今なお多くのファンに愛され続けています。

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