CRuby

CRuby（またはMRI、Matz' Ruby Implementation/Matz Ruby Interpreter）は、プログラミング言語Rubyのリファレンス実装であり、まつもとゆきひろ氏によって開発されました。

RubyがJIS規格「JIS X 3017」として制定される以前は、このMRIが事実上のRubyの言語仕様として扱われていました。これは、Rubyの言語仕様を明確に文書化しようとした「RubySpec」プロジェクトが成功しなかった影響も大きく、MRIが唯一の規範として機能していました。しかし、2011年にJIS規格が制定されたことで、MRIはあくまでRubyの実装の一つという位置づけになりました。

Ruby 1.9以降では、YARV（Yet Another Ruby VM）という別の仮想マシンが公式実装に組み込まれています。YARVは、Rubyのコードを実行するためのより効率的な方法を提供し、パフォーマンスの向上に貢献しています。

ライセンス

Rubyインタプリタとライブラリは、バージョン1.9.2まではGNU General Public License version 2 (GPL v2)とRubyライセンスのデュアルライセンスで提供されていました。その後、バージョン1.9.3からは、2条項BSDライセンスとRubyライセンスのデュアルライセンスに変更されています。

このライセンス変更の主な理由として、GNU GPLバージョン3でライセンスされたプログラムと組み合わせても利用できるようになるというメリットが挙げられます。これにより、Rubyを利用した開発の柔軟性が向上しました。

動作環境

MRIは、以下のオペレーティングシステムで動作します。

macOS
Linux
Windows

その他、Unix系OSやBSD系OSなど、幅広い環境で利用できます。詳細な対応環境については、公式ドキュメントを参照してください。

脚注

[1] RubySpecの失敗については、Rubyコミュニティでの議論などを参照してください。

関連項目

YARV (Yet Another Ruby VM)

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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