CVセンター (日本テレビ)

日本テレビ CVセンター

日本テレビのCVセンターは、技術統括局・制作技術センターコンテンツ技術運用部に所属する制作支援セクションです。報道局ではありません。CVとは「Compact-Video」の略称で、麹町社屋時代の1985年頃に発足しました。

当時の5F-VTR室が1インチVTRやD2-VTRをメインに制作系番組の運用を行っていたのに対し、CVセンターはベータカムVTR・DVCPRO-VTRをメインに、ニュース・スポーツ・情報番組などの生放送番組に対して、機動性と即時性に富んだ収録・編集・送出作業を行っていました。現在では、日本テレビのニュース番組の大半が、このCVセンターで編集されています。

CVセンターの設備概要

汐留新社屋への移転以降、収録・編集・送出の全プロセスがHDTV（1080/59.94i）で構築されています。リニア（VTR）設備に加え、世界最大規模のHDニュースサーバシステム（ソニー製）が導入され、テープレスによる迅速な編集・送出が可能です。

リニア編集設備

リニア（テープ）編集室は30ブースあり、BVE-700 3出し1受けが20ブース、BVE-2000V2 SwerはMVS8000の3出し1受けの加工ブースが10ブースで構成されています。VTRはHDW-M2000、AJ-HD1500・1600が使用されています。システムは全てソニー製で、各VTRデッキは汎用性と非常時に対応できるよう上位機種が設置されています。

収録・送出設備概要

収録VTRは22チェーン（44台）あります。1番から10番は国内素材収録用、11番から14番はNNN24のVTR送出用、15番、16番はNNN24の収録用、17番～20番は地上波のVTR送出用、21番と22番は主に海外伝送用として使用されています。社内では隔離された収録スペースを「金魚鉢」と呼んでいます。収録素材が大量に送られてデッキが不足することもあります。

1チェーンに本命と予備の2台を同時収録することで、録り漏れや緊急時の素材の使い回しに対応しています。VTRと同時にノンリニア収録も行われています。全てのVTRチェーンでTD卓の設定から収録・送出が可能です。ニュースサブはもちろん、回線センター経由で汎用サブ（S1～S4、My Skyなど）への送出も可能です。VTRの送出コントロールは、サブコンからリモートコントロールで制御されます。

VTRはHDW-M2000を使用しています。HDニュースサーバシステムに関しては収録19回線あり、リニア設備と同様にニュースサブ、汎用サブに向けて送出が可能です。ノンリニアの特徴であるプレイリスト送出も可能で、運用の省力化が図られています。

HDニュースサーバシステム

収録・編集・送出を一貫してテープレスで行うことが可能なシステムです。素材サーバの容量はHD300時間、ノンリニア編集室は15室あり、同時に2つのスタジオへPlayOutが可能です。

中継先や取材先から伝送された映像・音声は素材サーバに収録されます。3台の収録端末から19回線同時収録が可能です。収録された素材は、ネットワークで接続された15室のノンリニア編集室から必要な素材にアクセスし、編集を行います。編集された完パケは、OAサーバに転送した後、プレイリストに応じて生放送サブへ送出されます。

送出はニュースサブの他、社内の全スタジオに向けて可能です。リモートコントロールにより、スタジオからのPlay、Recue、Nextの送出操作が可能です。

HDニュースサーバシステムのメリットとして「1つの素材を複数の編集室で利用できる」ことが挙げられます。例えば、ニュース番組の1つの項目を編集するにあたって、CM前のQショット、本編、スタジオトークのインサート映像と同じ素材で複数のニュース映像を編集する場合、1本のビデオテープを複数の編集室でリレーのように渡しあったり、収録段階で複数本のVTRを収録するなど手間と労力がかかりますが、素材サーバを用いたノンリニア編集システムの場合は、複数のノンリニア編集機から1つの素材にアクセスし編集できるため、VTR素材待ちがなく、複数の編集室・複数の編集者が並行して編集できます。一刻を争うニュースやスポーツの編集を支えるシステムです。

また、1本のニュース映像をOAサーバから「地上波ニュース」と「CS向けニュース」など複数メディアに配信できるため、ワンソース・マルチユースを容易に実現できます。システムは全てソニー製（Sony Xpri）です。

下見設備

日本テレビでは、VTR素材のプレビューを「下見」と呼んでいます。素材のプレビューや原稿起こし用に12ブースの下見設備があります。記者がボイスレコーダーを再生してキャプションを取り直したり、キャスターとのリハ前にVTRと原稿の読み合わせのために使われます。使用の手続きはCVセンターの統括に申請が必要で、無断でVTRを再生することはできません。

関連会社

日本テレビ社員のほか、株式会社コスモ・スペースの社員が収録送出を担当しています。報道編集は日テレ・テクニカル・リソーシズ、日本TV映像株式会社など数社が担当しています。

放送実績

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