CVA-01級航空母艦

CVA-01級航空母艦の歴史と設計の背景

CVA-01級航空母艦は、1960年代にイギリス海軍によって計画された艦隊空母であり、戦後初の起工空母で、イギリス海軍史上最大の設計がされていました。しかし、1966年に計画は中止されました。その理由や設計過程、運用能力の概要について詳しく見ていきます。

来歴

戦時設計艦の改設計・改装

1945年の時点で、イギリス海軍では新たな艦隊空母としてオーディシャス級の「オーディシャス」と「アーク・ロイヤル」の建造が進められていました。しかし、第二次世界大戦終結後の経済的困難から、他の艦艇の建造が中止され、その後、冷戦が影響しつつある中で、オーディシャス級の艦を改訂設計して建造が再開されました。1951年と1955年に竣工した艦と共に、艦隊空母体制が維持されました。

新型空母の開発

1950年代の中頃から、新型空母の設計が始まりました。1952年からは大規模な55,000トン級空母、1954年からは中型の24,000トン級空母が検討されました。1960年には、次期空母の排水量についての調査が始まり、最終的には48,000トン以上が必要とされました。更に、アメリカ海軍やフランス海軍の設計案も考慮されましたが、高コストや運用能力の問題から提案は却下されました。最終的に「設計53」が選ばれ、1963年には正式に設計案が承認されました。

設計の特徴

CVA-01級は、当初の設計で航行性能を重視しながらも、イギリス海軍史上最大の空母として位置づけられました。外部に設けられる通路や、艦橋構造物の配置など独自の設計が施されました。また、艦の運航速度は最大28ノットと決定され、3軸推進方式が採用されました。これにより、艦の故障時でも残る主機を使って速力を保つことができます。

航空運用機能

CVA-01は、最大70機の航空機を搭載できる能力を持つとされ、発艦装置や着艦機能も備えています。エレベーターやカタパルト、着艦装置の設計は、艦上の運用効率を向上させるために工夫がなされています。公式に搭載予定の航空機はシービクセンやバッカニア、将来的な機種も視野に入れられていました。

個艦防御機能

防御手段として、ブルームスティックレーダーを搭載し、各種の対空兵器の設置が計画されました。しかし、1965年には新たにコマンドー母艦としての機能も考慮され、計画の一部が削除されることに至りました。

計画の中止

1966年に設計が完了しましたが、予算の高騰や戦争の戦略が変わる中、本級の計画は中止されることとなりました。代替として、地上基地からの爆撃機導入が提案されたものの、その後の計画も撤回されることになります。この計画中止により、イギリス海軍は今後の空母運用に対して厳しい立場に置かれることになります。

結論

CVA-01級航空母艦の計画は、時代の波とともに撤回されました。しかし、その設計の過程や当時の背景を知ることは、イギリス海軍の転換点を理解する上で重要です。これにより、後の艦艇開発における教訓や影響が確認できます。

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