Candy (松田聖子のアルバム)

アルバム『Candy』について

『Candy』は、松田聖子の6枚目のオリジナルアルバムで、1982年11月10日に発売されました。このアルバムは、CBS・ソニーからリリースされ、全体で10曲が収められています。帯に記された「こころはバロックカラー、いま あなたとティータイム… 聖子」という言葉が印象的で、アルバムの内容をうまく象徴しています。

先行シングルとして「野ばらのエチュード」が含まれており、アルバム全体に流れる甘いメロディと松田聖子の特徴的な歌声が際立っています。特に、シンセサイザーを多用した音楽スタイルは、この作品から目立ってきました。松田聖子本人の歌声は、甘美さから「キャンディボイス」とも称され、その名の通り、聴く者を魅了します。

参加アーティストと作曲家

本作には、ティン・パン・アレーやYMOのメンバーとして知られる細野晴臣が初めて参加しています。また、作詞には松本隆をはじめ、大瀧詠一、財津和夫、南佳孝、大村雅朗など、全曲を男性作家によって構成されています。このような豪華な面々の参加によって、アルバムはより深みのある内容に仕上がりました。特に、細野晴臣が手掛けた楽曲では彼の独特なスタイルが生かされています。

アルバムジャケット

ジャケット写真は、聖子が自転車にまたがり微笑む姿が採用されており、これまでのアルバムジャケットとは一線を画しています。特に、顔のアップではなく全身が写された写真は新鮮で、そのスタイリッシュさが印象に残ります。また、見開きのダブルジャケット仕様でのリリースは、ファンにとって喜ばしいポイントとなっています。

音源とバージョン

2006年には74枚組CD BOX『Seiko Matsuda』の中に、DSDデジタル・リマスタリングされた形で再収録されました。ただし、リマスター版の個別販売は行われていません。また、最初にプレスされたLPやカセットテープでは、「ブルージュの鐘」と「黄色いカーディガン」が後に流通している音源とは異なるバージョンとなっています。特に「ブルージュの鐘」は、ボーカルテイクが異なるため、貴重な音源として価値があります。

収録楽曲

アルバムに含まれる楽曲には、「星空のドライブ」や「四月のラブレター」、「未来の花嫁」など、松田聖子の代表的な楽曲も見受けられます。多くの曲は1990年代に入ってもコンサートで披露される機会が多く、ファンに愛され続けています。特に「モッキンバード」は、本作だけのオリジナル楽曲であり、アコースティックコーナーで演奏されることが多くなりました。

音楽の多様性

アルバムは、ジャンル的にも多様で、ロックやポップス、バラードなど、さまざまなスタイルを取り入れています。特に、楽曲ごとに異なるアレンジやアプローチを持つことから、リスナーは飽きることなく聴き進めることができます。これらの曲の中には、松田聖子自身が作ったものとは違った、他のクリエイターたちの色が強く表れているのが特徴の一つです。

まとめ

松田聖子の『Candy』は、彼女の音楽的な成長を示す重要な作品です。本作は、彼女自身の魅力だけでなく、当時の音楽シーンを反映した傑作とも言えるでしょう。甘美なメロディと個性的な歌声が楽しめるこのアルバムは、今でも多くのファンに愛され続けています。

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