Common Data Format

Common Data Format（CDF）は、1985年にアメリカ航空宇宙局（NASA）の米国宇宙科学データセンター（NSSDC）によって開発された、多次元データセットを効率的に格納・操作するためのデータ形式です。

CDFの特徴

多次元データ対応: CDFは、科学技術分野で頻繁に用いられる多次元のデータセットを扱うことに特化しています。これにより、複雑なデータ構造を効率的に表現し、管理することが可能です。
クロスプラットフォーム: CDFは、Windows、Linux、macOSといった様々なオペレーティングシステム（OS）上で動作します。異なる環境間でのデータ交換や共有が容易に行えるため、研究機関や企業において広く利用されています。
自己記述性: CDFファイルには、データの内容や構造を記述するメタデータが含まれています。これにより、データを利用する際に、別途ドキュメントを参照することなく、データの意味や形式を理解することができます。
豊富なAPI: CDFの操作には、C、Fortran、Java、Pythonなどの様々なプログラミング言語に対応したAPIが提供されています。これにより、ユーザーは自身の開発環境に合わせて、容易にCDFデータを読み書きすることができます。

CDFの利用分野

CDFは、科学技術計算、シミュレーション、データ解析など、幅広い分野で活用されています。特に、宇宙科学、地球科学、気象学、海洋学などの分野では、観測データやシミュレーション結果の保存形式として、広く普及しています。

関連技術

CDFに関連するデータ形式として、以下のようなものが挙げられます。

CGNS: 計算流体力学（CFD）のデータ交換フォーマット。
EAS3: 気象データのためのデータ形式。
FITS: 天文学分野で用いられるデータ形式。
GRIB: 気象データのための格子点データ形式。
Hierarchical Data Format (HDF): 大量の数値データを格納するためのデータ形式。
NetCDF: 科学的なデータやモデル出力を格納するためのデータ形式。
Tecplot: データ可視化ソフトウェアで用いられるデータ形式。
XMDF: 拡張可能なメタデータフレームワーク。

CDFの歴史

CDFは、1985年の開発開始以来、科学技術分野におけるデータ共有の標準フォーマットの一つとして、長年にわたり活用されています。NASAをはじめとする様々な研究機関で、データの保存、交換、解析のために利用されており、その重要性は今後も変わらないと考えられています。

出典

“Common Data Format”. ゴダード宇宙飛行センター. 2013年12月31日閲覧。
この記事は、2008年11月1日以前にFree On-line Dictionary of Computingから取得した項目の資料を元に、GFDL バージョン1.3以降の「RELICENSING」(再ライセンス) 条件に基づいて組み込まれています。

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