Cross My Palm

中森明菜の「Cross My Palm」

日本の歌手、中森明菜のスタジオ・アルバム「Cross My Palm」は1987年8月25日にワーナー・パイオニアからリリースされたこの作品は、彼女にとって11枚目のスタジオ・アルバムであり、すべての楽曲が英語で歌われています。このアルバムは、ニューヨークでレコーディングされ、海外の作家による楽曲提供が特徴です。特に、ディビット・バチューやトニー・ヒューメック、サンディー・スチュワートなど、国際的に知られるアーティストたちの作品が含まれている点が注目されます。

アルバムの概要

「Cross My Palm」のタイトルは「運命を占う」ことを意味し、特に中森明菜の音楽性を強く反映しています。アルバム制作の背景には、映画『トップ・ガン』や『フットルース』のサウンドトラックに見られるような、様々なアーティストが参加するオムニバスアルバムを1人で表現するというアイデアがありました。また、中森自身の強い希望から、全曲英語詞という形が実現しました。

リリース直後、アルバム収録曲「MODERN WOMAN (FEMME D' AUJOURD' HUI)」はパイオニアのTV CMにも使われ、さらなる注目を集めました。中森は、英語の発音について苦労し、通常のレコーディング時間よりも長い3か月を要したと語っています。アルバムのリリースに伴い、同名のミュージックビデオも1987年12月21日に公開され、音楽と映像の関係性を強調しました。

コンサートとメディア出展

アルバムリリース前の1987年7月11日から全国コンサートツアー「A HUNDRED days」を開催し、多くのファンに中森の新しい音楽を届けました。また、本作の楽曲は音楽番組でも披露され、1987年9月7日にはオリコンの週間LPチャートで1位を獲得。その年の年間アルバムチャートでも19位にランクインしました。

特に、シングル「THE LOOK THAT KILLS」は、1987年6月3日に発売された18枚目のシングル「BLONDE」の原曲であり、オリコン年間シングルチャートでもトップテン入りを果たしました。これらの楽曲は、音楽番組やイベントで度々演奏され、多くの視聴者の耳目を集めました。

海外展開

アルバムは1989年にはアメリカ合衆国でもリリースされ、全米チャートで90位台にランクインしました。これにより日本国内だけでなく、海外においても中森明菜の存在感を強める結果となりました。ジャケットは日本版のスタイルを踏襲し、カタログ番号が印刷されたものも存在しています。

批評と評価

「Cross My Palm」は、多くの音楽評論家からも評価されており、オリコン・ウィークリーの藤井徹貫は、中森が全12曲を異なるキャラクターで表現し、自己コントロールを発揮していると述べ、中森の大胆な挑戦を高く評価しています。

縁の下の力持ち

このアルバムは単なる音楽作品ではなく、中森の音楽キャリアにおける重要なマイルストーンとも言えるでしょう。作品のリリースに伴ったさまざまな活動は、ただ一つのアルバムを超え、アーティストとしての成長と進化を感じさせるものです。中森明菜の音楽は、彼女自身の独自の世界観を反映し、多くのリスナーに感動と影響を与えてきました。

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