Cwm (ウィンドウマネージャ)

cwm (Calm Window Manager) は、X Window System 用のスタック型ウィンドウマネージャです。主に OpenBSD の一部として開発されていますが、移植版が他の Unix 系オペレーティングシステムでも利用可能です。

歴史

cwm の開発は、Marius Aamodt Eriksen 氏による evilwm のパッチから始まりました。機能追加を容易にするため、9wm のコードの一部を流用して書き直されました。オリジナルの開発者による最後のリリースは 2005 年 8 月に行われました。

2007 年 8 月、cwm は OpenBSD のソースツリーに組み込まれました。9wm のコードを含む元のソースコードの主要部分は、2008 年 1 月までに書き直されました。バージョン 4.2 からは、wm2 に代わって OpenBSD の標準ウィンドウマネージャとして採用されています。また、有志によって Linux への移植版も開発されています。

機能

cwm は、キーボード操作を重視し、軽量で使いやすいスタック型ウィンドウマネージャです。仮想デスクトップ機能は明示的には提供されていませんが、ウィンドウグループ機能を使用することで同様の操作が可能です。ウィンドウの装飾は、1 ピクセルの境界線のみで、非常にシンプルな外観となっています。

cwm には、以下のメニューが用意されています。

exec menu：アプリケーションを起動
window menu：起動中のアプリケーションを検索
ssh to menu：Secure Shell セッションを開始
exec wm menu：別のウィンドウマネージャへ切り替え

これらのメニューはすべて、入力に応じて候補を絞り込む「インクリメンタルサーチ」方式で操作できます。

cwm を使用すると、キーボードのみでウィンドウの起動、隠蔽、切り替え、検索が可能になり、ターミナルエミュレータのマルチプレクサとしても使用できます。また、マウスなどのポインティングデバイスを併用することも可能です。

キーバインドや設定オプションは、設定ファイル `~/.cwmrc` でカスタマイズできます。

反響

cwm は、ミニマリストなソフトウェアを好むユーザーから高い評価を得ています。OpenBSD の標準ウィンドウマネージャの一つであることも利用の大きな理由ですが、柔軟性やマウスに依存しない操作性も評価されています。マウスを使用せず、キーボード操作だけで効率的なウィンドウ管理ができる点が、多くのユーザーに支持されています。

関連項目

Xウィンドウマネージャの比較

外部リンク

cwm(1) – OpenBSD General Commands マニュアル
cwmrc(5) – OpenBSD File Formats マニュアル
Official website at the Wayback Machine
* cwm - GitHub - 非公式な cwm の移植版

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